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シニアプロモーションの現場

小売の発想を超え、地域に欠かせないインフラを目指すダイシン百貨店

西川立一(流通ジャーナリスト)

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今夏初めて実施した観光物産展。企画から運営まですべて社員が行う。

本物を提供するイベント

前回は、シニア御用達のダイシン百貨店の考え方、商品や売り場について述べたが、今回は、同社のシニアに向けたサービスやイベント、コミュニケーション、そして地域インフラまで取り組もうとする壮大なプランを紹介する。

ダイシン百貨店の信条は「思いやり(Consideration)」。この思いを中核に据え、モノを売る前にコトを売るという発想で、コトを提供しモノの販売に結びつける。さらに従来は、地域が担ってきた地元住民同士のコミュニケーション機能の役割も果たそうとしている。

西山敷社長は「お客さまをおふくろと考え」、荷物を持ったり、売り場を案内したりと、きめこまかい気遣いや心配りを全従業員で対応する企業風土を作り上げた。

70歳以上や妊婦、体の不自由な人を対象に買上商品を無料で配送するサービスも実施、65歳以上を対象にし、配達時に安否確認も行う、500円の宅配弁当も展開している。

さらに、買い物難民にしないため、周辺を循環するポイントカードの会員向けの無料の送迎バスを運行している。こうしてリピーターが集まる集客力の高い施設にしていけば、自然と商機は高まる。ヘアウィッグの販売会を開催すれば1週間で2000万円を売り上げた。

施策を実施する場合、まず、社員でできるレベルで実行し、事業としての採算は考えず、業務として取り組むようにしているという。

都会では地縁が薄まり、住民同士のコミュニケーションも疎遠になりがちである。そこで、まずは身内からということで ...

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