
インドネシアで売られていたGATSBYのヘアスタイリング剤「WATER GLOSS」。欲しい分だけちぎって購入できる。
「GATSBY WATER GLOSS」マンダム インドネシア
「中身をいくつ梱包して1商品」にするかは、パッケージデザイン開発の原点ともいえる大事な意思決定である。
意思決定に影響する大切な要素は「原価」「価格の受容性」「顧客ニーズ」の三つ。10個入りを1個入りにしても価格は10分の1にならない。容器代の原価率が高まるからである。10個入りで1000円だったものが1個入りになって300円で売られたとしたら、お客さんは買ってくれるだろうか。この入り数と価格の受容性は、顧客が思うような正比例にはならない。これが価格の受容性の問題である。入り数に対する顧客ニーズは、「商品の浸透度合い」、「小売業の需要創造」に大きく影響される。
「商品の浸透度合い」は、新商品を大容量で買うことには顧客のリスクが高いということである。新商品として発売され、顧客が購入・使用して初めて信頼が形成され、その後顧客の大容量のニーズが生まれる。ロングセラーブランドに大容量の商品が多いのはこのためである。
二つ目の「小売業の需要創造」とは、緊急需要の高いコンビニと、大容量の購入が前提のコストコでは同じ人が同じ商品を購入する場合でも、購入時点での商品へのニーズが異なるということである。
こういった需要は新しい小売業の出現によって変わるため、話題の小売業が顧客のどのような需要を創造しているかを、常に注目していることが重要である。
また、入り数の決定には、豊かさや環境意識といった長期的な社会環境の影響もある。先日、インドネシアの市場を歩いていたら …