消費税免税制度が改正されたことで、販促担当者にとってどんな追い風が吹いているのか。免税制度協議会の一員としても制度改正に尽力し、ドン・キホーテグループの訪日客誘致を担うジャパンインバウンドソリューションズの中村好明社長に聞いた。

TAX FREEと大きく打ち出しているドン・キホーテの外観。街を歩く訪日客が「免税」されるお得な店だと認識できることがポイントだ。
Q. 免税制度が改正され、店舗にどんなメリットがあるの?
A. 全品免税となり、売上拡大のための千載一遇のチャンスが訪れています。
2014年10月1日から消費税免税制度が改正され、免税となる品目が拡大しました。
これまで免税対象は、家電製品や鞄、服など「非消耗品」に限られていましたが、改正によって化粧品、食品、衣料品、薬品など「消耗品」も含まれることになりました。これにより、小売店は、取り扱っている全商品を免税品として訪日観光客にアピールできます。
これまで、訪日客を眼中に入れていなかった消耗品の販促担当者も、この全品免税を活用しない手はありません。ちなみにドン・キホーテの10月の免税売上は、消耗品の免税が加わったことで昨年比5.5倍以上と伸びました。
Q. TAX FREE? それともDUTY FREE? そもそも免税ってどういうことでしょうか。
A. 10月の改正で、全品免税されるのは「消費税」。TAX FREEです。
小売店で行う免税は、消費税の免税(TAX FREE)です。関税の免税は、空港で出国手続き後に免税ショップなどで行うサービスで、ここでいう免税とは関係ありません。DUTYは広義には税全般を含む言葉で、消費税免税の店が使っても間違いではありませんが、普通は関税を表すものなので、誤解を防ぐにはTAX FREEと打ち出すほうがよいでしょう。
ではそもそも、なぜ消費税を免税するのでしょうか。それは外国人が帰国したとき、さらに課税され二重課税になるのを防ぐためです。これまで日本では、消耗品は旅行中に使って本国に持ち帰らない=輸出しない可能性もあったので、免税対象に入っていませんでした。しかし本来、消費税は国内で消費することに対して課税する税金ですから、世界中の大半の国は、最終的に輸出される消耗品を含む物品に対して、消費税の課税はしていません。今回の改正は、62年ぶりの大改正ですが日本がようやく国際基準に到達しただけとも言えます。
日本では2014年消費税を8%に引き上げましたが、全品免税されるとなれば、訪日観光客に対しての大きなアピールポイントになります。
Q. 免税販売は外国人が対象ですか?
A. 外国人ではなく、「非居住者」が対象です。
免税の対象者は、日本に居住していない人です。つまり、外国籍を持っていても ...