
イベント会場では、巨人化した主人公エレンの実物大の胸像人形(高さ約4メートル)とキャラクターパネルを設置。フォトスポットを設けたことで、SNSでは写真つきの投稿が目立った。
参加者が満足するイベントづくり
全国9都市で全22公演(最終公演11月9日)行われた、『進撃の巨人』×リアル脱出ゲーム「ある城塞都市からの脱出」は、6万2000人来場(10月現在)の大ヒットイベントとなった。東京公演のチケットは早々に完売し、埼玉で追加公演が行われるほど。今年12月には、シンガポールで開催されることが決まっており、国内外で人気のイベントとなっている。
今回の企画全般を担当したSCRAPのかわかたたまみ氏は、「参加者が納得できるストーリーを考えるのが大変だった」と振り返る。リアル脱出ゲームは、名前の通り“脱出できたら”成功となる。しかし『進撃の巨人』では、壁外に逃げたら巨人に食べられてしまうので、脱出が成功した場合に矛盾が生じてしまう。「そこで、参加者には調査兵団を目指す訓練兵になってもらい、街からではなく“絶望”という概念から脱出するというゲームストーリーにしました」(かわかた氏)。
また、元々のファンだけでなく、作品をよく知らない人たちにも内容を理解してもらいイベントを楽しんでもらうため、要所に工夫を施した。例えば、告知ビジュアルでは、イベントタイトルの「ある城塞都市」というワードだけでは作品の読者でなければイメージが伝わらないと考え、超大型巨人の顔を大きく使い、「この絶望から、逃げ切れ」というコピーを添えることで、一目見れば誰でも「この巨人が敵で、逃げるんだな」と内容が想像つくようにした。
会場ではオリジナルに作成したオープニングムービーの放映や、司会者によりストーリーを丁寧に説明にすることで、なるべくスムーズに世界観に入ってもらえるよう心掛けた。

ビジュアルには超大型巨人を大きく使い、コピーと合わせて作品の内容を知らない人たちにも何をすればいいか一目で分かるようにした。
PRでさらなる盛り上がりをつくる
「『進撃の巨人』とコラボということで、ウェブやSNS上ではいつも以上に ...