2013年にテレビアニメが放送され、人気が拡大した『進撃の巨人』。2015年には実写版映画公開も控え、各社が競ってタイアップを模索している。この人気に先立ち、作品の特徴を巧みにとらえ、自社のプロモーションに活用した企業がある。それぞれの担当者はいかにタイアップキャンペーンに挑んだのか。

左から、NTTコミュニケーションズ・三浦康徳氏、白十字・牧野智之氏、フェニックス・加藤輝泰氏。
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
─『進撃の巨人』をプロモーションに活用した理由を教えてください。
加藤▶ ピザハットではアニメ作品とのタイアップをしばらく実施していなかったのですが、久しぶりに大々的に起用したのが2012年の『エヴァンゲリオン』。『進撃の巨人』はそれに続くアニメタイアップです。『進撃の巨人』はアニメがまだ始まっていないタイミングで起用を決めたこともあり、ウェブ上に限定したキャンペーンでした。
起用のきっかけは、私が読売ジャイアンツファンで、たまたまプロ野球の巨人戦をツイッターで確認していると「進撃の巨人」という言葉がたくさん出てくるのが気になったんです。調べてみると「このマンガがすごい!2011」男編の1位などを獲得している人気作であることが分かり、2012年の12月頃に広告会社を通じてタイアップの打診をしました。
キャンペーンのターゲットは、この作品のファンや関連するツイートが多い層ということで10代後半から30代前半までを想定しました。当時はここまで人気がでると予測できていなかったので起用に迷いもありましたが、アニメがスタートすることが決まったこともあり勝負に出ました。
三浦▶ 2003年に「マイポケット」というクラウドサービスをスタートし、2013年がちょうど10周年ということでキャラクターとのコラボキャンペーンを企画しました。第1弾は『秘密結社鷹の爪』で、第2弾が『進撃の巨人』、第3弾は『ウルトラマン』と行いました。
マイポケットの課題は、若者層の認知度の向上。そこで、人気のコンテンツと連携することでコンテンツの固定ファンにアプローチをし、SNS上の話題を喚起し、少しでもサービス名を知ってもらおうと考えました。
コラボレーションの候補は広告会社からの提案を受けました。第1弾はマニアックなファン層を持つ『鷹の爪』でしたので、第2弾はもう少し幅広い層から支持を集めていて、男女問わずアプローチできるインパクトのあるコンテンツを提案してもらいました。
私たちが『進撃の巨人』の起用を検討していた時も ...