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シニアプロモーションの現場

イオンの取り組みから見るシニアマーケテイングの要点と課題

西川立一(流通ジャーナリスト)

シニアの要望にきめ細かに対応

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シニア向けフロアの「グランドジェネレーションズモール」の2番目となるイオンマリンピア店。「イオン葛西店」とは少し店舗構成を変えている。

少子高齢化が進むなかで膨張するシニアマーケット。流通業はこぞってこの市場の開拓に力を入れている。そのなかでも、最も熱心なのがイオンだ。シニアの攻略を次世代への成長戦略のひとつとして位置づけ、グループの総力を結集して、さまざまなアプローチを試み取り込もうとしている。イオンの取り組みを見れば、シニアマーケティングの大方が見通せ、また、課題も浮上してくる。

イオンは、団塊世代を中心に、50代後半からの年齢層をターゲットに設定した。まず、彼らに対する呼称を、50代以上の4分の3が「シニア」と呼ばれることに抵抗があることから、新たな呼称として、小山薫堂氏が提唱する「グランド・ジェネレーション(G.G世代)」を採用し、コミュニケーションを図ることからスタートした。

グランドとは最上級を意味し、人生のなかでも最上の世代ととらえ、若々しく年齢を重ね、豊かな知識と経験を持ちながら、人生のさまざまなスタイルで楽しんでいる時代の年長者を、敬意をもって表すという意味合いが込められている。

イメージキャラクターのタレントの高田純次と女優の夏木マリが登場するテレビCMを観た人もいるだろう。しかし、この言葉を使い始めてからすでに3年目になるが、残念ながら浸透しているとは言えない。何故なのか。まず言えることは、一方通行の企業発信の造語であること。団塊世代は押しつけを嫌う。呼称自体も大仰で、実態と遊離している。

そして何より、どんな言葉を使っても、自分の年齢を意識させることになるのが問題だ。高齢者は常に若くありたいと願っており、気持ちや体力も実年齢より、5歳、10歳若く、年齢で線引きされることに抵抗感がある。

シニアにアプローチするには、年齢軸でイメージを打ち出しても響くどころか時としてマイナスになる。過去にも、「アクティブシニア」、「ゴールデンエイジ」、「グランパ」といったシニアを表す言葉が出てきたが、いずれもアプローチとして成功していないのが実情で、シニアの攻略にはこうした名づけが、必ずしも有効ではないことを物語っている。

シニアシフトを明確にしているイオンは、具体的な取り組みも各方面で展開している。商品・サービスにおいては…

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