食材があおりやすい形状になっている「アオーレパン」。その特長をPOPで上手に表現している。
調理器具売り場で不思議なフライパンに出会った。見慣れた丸い形状ではなく先端が尖ったデザインは、フライパン売り場で明らかな異彩を放っている。思わず注目してしまうインパクトがあるのだが、なぜその様な形状をしているのか分からない。興味が湧いたため、ちょっとPOPを見てみる。名前が「アオーレパン」。商品形状の説明として「あおりやすい形状!!」と訴求している。なるほど、先端が尖っている理由は、フライパンを振る時に食材をまとめるためなのか、と頭で理解した。
見慣れた商品のPOPであれば、ここまでのコミュニケーションで及第点かと思う。注目、興味喚起させ、商品特長を理解させる。伝えるべき情報は伝えている。しかし、「アオーレパン」は新しい調理スタイルを提案する画期的なアイデア商品であり、顧客にとっては今まで経験したことのない特長を持っている。そんな商品を訴求する時、店頭にて商品特長を「実感」させる事ができないだろうか。
手っ取り早いのは、実際に使ってもらいながら説明することだ。例えば3Dテレビが登場した時、各メーカーは店頭で3D映像を体験してもらうために3Dメガネを取り付けた什器を展開した。自動車のブレーキ動作を補助する「ブレーキアシスト」が登場した時には、試乗会を通してブレーキ機能を体験させている。未経験の商品の特長を理解してもらうには、やはり体験させるに限る。
今回紹介する「アオーレパン」のPOPが素晴らしいのは、この点である。店頭で調理を疑似体験させ、商品の利便性を「実感」させてくれるのである。しかも…