日清医療食品の「食宅便」。病院給食のノウハウをもとに、高齢者の健康や要介護者に配慮した商品を提供する。
事業を拡大するセブンミール
食マーケットでここ数年急成長を遂げているのが、高齢者向けの食事宅配サービス。栄養バランスの取れた食事を、自宅に届けるという、まさに、外出や調理が困難、もしくは面倒という高齢者にとって利便性の高いサービスだ。
シニア向けサービスのなかでも、数少ない確実に果実を得ている領域である。そのなかでも、事業拡大が目立つのがセブン&アイグループのセブン・ミールサービスだ。
昨年度の取扱高は前年度の約2倍となる250億円となり、今年度はさらに1.8倍の450億円を目指し、業界首位をうかがう勢いだ。配達拠点となるコンビニの「セブン-イレブン」も、全店舗の約8割に当たる1万3200店舗と増えた。
利用の急拡大の契機となったのが、2012年5月に実施した配送体制の見直し。1回1000円以上から注文を受け付け、配達料は200円だったが500円以上(税込)なら無料で配送し、セブン-イレブンの店舗でも受け取れる。
現在、会員数は約50万人、注文件数の約6割は60歳以上が占めている。
そのため、高齢者に配慮した商品づくりに力を入れている。弁当のご飯の量は190グラムと240グラムを用意、どちらかを選ぶことができ、塩分量も抑えて健康志向に対応している。
7日間セットもあるが、1食から注文でき、正午頃まで、午後7時頃までと1日2回の配達で、昼食時の利用もできる。
「セブンミール」が支持を拡大させているのは、利用しやすく便利なサービスという、利用者起点から考えていること。この当たり前のことを徹底するのは、意外と難しいものだが、セブンミールは、最優先で取り組み、セブン-イレブンの商品も届けるなどプラスアルファのサービスも付加し、常にサービス内容の充実を図っている。
きめ細かいニーズにどう対応するか
居酒屋大手のワタミも、2008年7月に専門業者タクショクを傘下に収め参入し、ワタミタクショクを設立、順次営業所を拡大、13年度は10%増の428億円と、業界トップに躍り出た。
主力商品は日替わりで5日間、毎日15品目以上、4種類の総菜とご飯で1食あたり556円の「まごころ御膳」。万人向けの弁当を手頃な価格で、毎日自宅に届けるという正攻法のアプローチが功を奏した。
ただ ...