番組内で取り上げられた店は、来店客の絶えない繁盛店になっているという、話題のドラマ『孤独のグルメ』。その原作者である久住昌之氏に、漫画やドラマ制作の裏話などを交えながら、これまで出あった印象深い店や、店選びの秘訣などを教えてもらいました。

デビューから33年。支持され続ける理由について、「自分自身が面白がれることを、流行に媚びないように注意してやってきたのが良かったのかな」と話す、久住昌之氏。
─ドラマ化もされている漫画『孤独のグルメ』は、どのように生まれたのでしょうか。また、漫画で扱う店の選び方を教えてください。
漫画『孤独のグルメ』の連載が始まったのは、もう20年も前になります。食のウンチクを語るような漫画とは違う作品をつくりたいという、編集側からのリクエストに応える形で創作していったものです。
僕は、人が物を食べる行動に滑稽さを感じるんですよね。例えば、弁当を食べる時に、ご飯より先におかずが無くならないようにするために、何から食べようかと頭の中で悩んでいたりする。でもそれが人に知られたら、ちょっと恥ずかしく思える。どんなに偉い人でもお腹が空くと機嫌が悪くなったりするのも、なんだか面白い。食欲は欲の一つだけれど、人間の欲って、気恥ずかしいことですよね。そんなことに興味があって、漫画として描いています。
漫画で扱うのは、基本的には自分が好きな店。でも漫画だから、自分の好みだけでなく、絵になって、ドラマが生まれそうな面白い店を探してくるようにしています。店探しの際に、事前に情報を見ることはありません。自分で歩いて探します。事前に何か情報を見て行くと…