販促担当者へのアンケートでは、6割が「社内調整」に課題を感じています。上司、他部署への依頼・交渉をもっとスムーズにしたい! そんな販促担当者のリアルな悩みに対し、社内コミュニケーションを円滑にするヒントをお伝えします。
今月のお悩み
上司が怒りっぽく皆、萎縮してしまい困っています。
上司への相談が遅れて、企画が滞り、結果トラブルになることもあります。
--------流通 営業企画部
上司を観察しこだわりポイントを探る
上司への報連相は、仕事をするうえで必須のコミュニケーションだとは思いますが、行くたびに怒られていては気分が滅入ります。そうすると次の報告が嫌になって遅れがちになり、結果「報告が遅い!」とまた怒られるという悪循環に。あまりにも怒られることが多くなると、上司には悪意がある。自分のことが嫌いなんだと思ってしまいますが、上司の立場からこの状態を考えてみるとどんな風に見えるでしょうか?自分が怒られているときは冷静に考えられないかもしれませんので、同僚が上司に怒られている様子を観察してみましょう。すると、少し見方が変わります。たしかに上司はあそこまで怒らなくてもいいのではと思いつつも、怒られている同僚の方にも至らない点がある様子が見て取れるでしょう。上司は怒っているつもりはなく、情熱を込めて注意しているんです(少なくとも本人はそのつもりでしょう)。よくよく観察していると、怒られるポイントは毎回結構似ていることが分かってきます。例えば「課題の整理ができているか」「目標やゴールが定まっているか」「何が差異化のポイントか」「どこで顧客に驚き(WOW!)を与えるのか」「数字や事実を押さえているか」「スケジュール、予算、役割分担を考えているか」など。観察を続けていくと「上司のこだわりポイント一覧表」ができるでしょう。
簡潔なメモを常に作って相談する
実際に何か報告する場合は、相談する内容をA4用紙1~2枚のメモにまとめ、それを渡して話をしましょう。企画書がある場合でもメモは別途つくりましょう。相談事が短くまとまっていることが大切です。メモには、報告したいポイントが箇条書きになっていて、項目ごとに自分なりの考えを書き出しておきます。考えがまとまっていない場合は、考えうる選択肢を書き出しておきます。そして、メモの中にしっかりと上司のこだわりポイントが入っているかを確認しましょう。また、相手がどのような指摘をするのかをできるだけ考えておきます。「反論への備え」と言うのですが、こう聞かれたらこう返す。ここを突っ込まれたら、こう言おうとある程度準備しておきます。それでも、すべての指摘には答えられないと思いますので、相手(上司)の着眼点を褒められるように心の準備しておきましょう。「さすが課長ですね。私もそのポイントについて考えたんですが、まったく答えが浮かばなかったんです。申し訳ありませんがアドバイスをいただけませんか?」と言えば悪い気はしないでしょう。上司は答えがないことに怒っているのではなく、考えていない(もしくは考えが浅い)ことに対して怒っていることがほとんどです。
解決の糸口
上司を観察して、こだわりポイントを洗い出そう
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コクヨファニチャー スキルパークシニアトレーナー 下地寛也(しもじ・かんや)オフィスインテリアデザイン、働く環境と従業員の行動に関する研究などを経て、企業変革コンサルティング、人材育成・教育研修を担当。著書に『コクヨのコミュニケーション仕事術』など。 |