ファン顧客と直接つながり、声を聞く手段、手法が進化する中で、「その大切さは頭で分かっていながらも、集まった声を生かしきれていない」「少人数のコアなファンとの深いコミュニケーションをどのように売り上げに結び付けるのかと社内から問われて苦労している」…という販促担当者もいるだろう。
いかにファン顧客を味方につけ、売り上げや商品・サービスの開発、改善に結びつけるか。ここではネスレ日本の「ネスカフェ アンバサダー」の取り組みを見てみよう。同社は家庭用コーヒーマシン「ネスカフェゴールドブレンド バリスタ」を家庭外でも使ってもらうために、2012年から「ネスカフェ アンバサダー」制度を導入。オフィスなどでの使用を前提に無料でマシンを貸し、専用のコーヒーパックを購入、補充してもらう仕組みだ。また定期アンケートへの協力や、マシンを設置した様子を同社ウェブサイトへ投稿もしてもらう。つまりこの制度は、ファン顧客の生の声を吸い上げる仕組みでもある。
またネスカフェ アンバサダーを招いたサンクスパーティーを全国で実施し、絆を深めているほか、ネスレ日本の本社に少人数のネスカフェアンバサダーを呼び、新商品アイデアついて意見を出してもらう場も設け、4月にはネスカフェ アンバサダーの声を反映させた紅茶製品の販売も開始した。現在、「バリスタ」の国内累計販売台数は200万台を突破し、コーヒーマシンのトップシェア。ネスカフェ アンバサダーは、開始から1年半で12万件強の応募となっている。ネスカフェ アンバサダー制度を担当する、コンシューマーコミュニティ開発グループ 津田匡保部長は、成果指標をどのように設定し、商品開発に生かしているのか聞いた。
Q 「ネスカフェ アンバサダー」の成果指標をどこに設定?
ビジネス全体の売り上げと ...