ダイレクト部門
2002年に創設された「ダイレクト部門」は、その名のとおり、ダイレクトマーケティングを審査対象とする部門。近年は、特定のレスポンスを促すよう設計されているかだけでなく、消費者のふるまいを変えられたか、ブランドとの関係性を築けているかどうかも評価される。審査配分は、創造性30%、戦略性20%、実現力20%、結果30%。
グランプリ
British Airways - #lookup in Piccadilly Circus
ブリティッシュ・エアウェイズ「MAGIC OF FLYING」/オグルヴィ・ワン・ワールドワイド・ロンドン
200キロメートル四方にブリティッシュ・エアウェイズの航空機が入ると、位置情報信号ADS-Bを受信してフライトナンバーや発着地などといった運航情報を取得。ロンドン市内の広場「ピカデリー・サーカス」に設置されたデジタルサイネージは、看板上空に航空機が差し掛かるタイミングや飛行速度に合わせて表示内容を変化させる。ちょうど飛行機を追いかけるように小さな男の子が登場して、飛行機を指さすのだ。通行客注目を集めながら、最終的にはWebサイトへ誘引。サイトではこのサイネージについての説明と共に各空港までの運賃を紹介し、そのままフライトを予約できるようにした。
ゴールド
クラロ「VROOM RING BOOM」/オグルヴィ・グアテマラ
グアテマラの通信会社クラロが、自動車事故の原因となる「運転中の通話」を防ぐために制作したのは童謡。国内の幼稚園にCDを配り、親たちが運転中に電話を取ると「運転中のケータイあぶないよ~♪」といった内容の歌を歌うよう促したアイデアだ。「とてもチャーミングで、アイデアひとつで課題を解決しようとしている点が素晴らしいと思いました。子どもに歌ってもらって、親に気づきを与えるという発見を核にしたこの施策には、制作者のアイデアを感じて、とても楽しく思います」(齋藤迅氏)。この歌はグアテマラ市のおよそ300の教育機関で3~6歳の子ども約4万人に以上に教えられた。今後、教育省によって正式にカリキュラムに導入されるという。
ゴールド
CNA「SPEAKING EXCHANGE」/ FCBブラジル
CAN はブラジルの英語教室。ポルトガル語が公用語の同国で、ネイティブから英語を学びたい学生と、話し相手がほしい欧米の高齢者をビデオチャットでつなげば互いにメリットがある、という点に着目した企画だ。「シンプルながら、ハートウォーミングな素晴らしいアイデアだと思います。残念ながら現状では小さな規模の施策だったのですが、全世界に大きく広がって行ってほしいアイデアですね」(齋藤迅氏)。
レスポンス獲得だけでなく消費者の行動変化を評価
Q.どんな審査が行われた?
2014年のダイレクト部門で示された審査指標は ...