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アメリカ現地レポート 顧客・市場へのアプローチ戦略

コマースに挑む小売の戦略 「実店舗ならでは」に勝因あり!

橋爪栄子

常に最先端のプロモーションが行われ、世界から注目されているアメリカ。そこでいまヒットしている・話題になっている商品や店舗は、どんなプロモーション戦略の基で行われ、どんな工夫がなされているのか。消費者に受け入れられている理由を、現地から毎月レポートする。

米国セブンイレブン マーケティング&ブランド・イノベーション担当副社長のローラ・ゴードン氏。

徹底したインストアデータ分析で独自体験のプロモーション

2014年6月4、5日の2日間、ニューヨークで米国の非営利団体BAAが主催するイベント「Omni-channel Activation」が開催された。BAAの正式名はブランド・アクティベーション協会(Brand Activation Association)で、ブランド戦略やオムニチャネル・マーケティング、ソーシャルメディアマーケティングなどといったテーマを掲げ、会員企業のマーケターたちへの情報発信や、ネットワーキング(人脈形成)、カンファレンスイベントを開催している団体だ。

イベントでは、ウォールマート、ペプシコ、クラフトフーズ、セーフウェイ、セブンイレブンなどの業界を代表する企業によって数々のセッションが行われた。今回のレポートでは、コンビニエンスストアから米国セブンイレブンの取り組みと、グローサリー・ホームデリバリーサービスを提供するピーポッドの二つの事例を取り上げたいと思う。

北米に1万350店舗を持つ米国セブンイレブンが強く意識しているのが「アマゾン」だ。「アマゾンにはできないプロモーション」「アマゾンでは買えない商品」「アマゾンでは体験できない個性的な購買体験」……同社では、そんなオムニチャネル戦略を実践し、成功を収めている。

こうしたオムニチャネル戦略を支えているのがデータ分析だ。米国セブンイレブン社は2013年4月、全米の店舗POSデータを、メーカーとタイムリーに共有できるソリューション「7-EXCHANGENext Generation」を導入した。情報ソリューションサービスを提供するIRI社と共同開発したもので、バスケット・トランザクション・データ分析、プロモーションの最適化などが可能。店舗のセグメンテーションなどに必要なデータをタイムリーに収集・共有することで、700万人のオムニチャネルショッパーを魅了する新たな商品開発&プロモーション強化に乗り出した。

データはおよそ2年と3カ月をワンサイクルとして保存。全米を8地域に分け、州、郡、街などを含む地域性、店舗タイプ、ガソリンスタンドの有無といった各種の条件で、80の市場に細分化し、POSデータを分析しているという。

従来のPOSデータソリューションと異なるのは、セブンイレブン側とメーカー側が同じデータをウェブベースでいつでも見られる点だ。日々移り変わる販売状況を逐一追いかけることで、販売機会の拡大につなげる狙いだ。

同社は、こうしたデータ収集と分析を ...

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