リーバイ・ストラウス ジャパンの齋藤貴社長は、2011年にブランドの価格帯見直しを行い、ノンディスカウントポリシーを打ち出した。コア商品の「501®」の定価は1万3000円(2014年5月現在)。「リーバイス®ストア」では、ジーンズが顧客にとって特別な意味を持つ存在であり続けられるよう、リーバイス®ブランドの世界観を発信する。そんな同社の現場力とは?
リーバイ・ストラウス ジャパン 代表取締役社長 齋藤 貴氏
東京生まれ。東レ、ロエベ・ジャパンでマーケティング・ディレクターなどを経て2000年バリー・ジャパン社長、05年ファブリカ(ラコステ)社長を歴任。10年10月より現職。
貴社にとっての現場力とは?
「リーバイスストア」は、お客さまにとって「快」を生み出す大事な場所。お客さまとスタッフが接する時間は、ブランド全体への印象が決まる「Moment of truth(真実の瞬間)」です。
店舗ではスタッフが自信を持ってスタイリングを提案することで、お客さまに「快」を感じてもらい、購入後は、「いい買い物をした」と満足していただく。スタッフはそのことにやりがいを感じ、会社は持続可能な利益を生み出すことができる。お客さま、スタッフ、会社の三者がWin-Win-Winの関係になるような場所としてリーバイスストアを位置付けたいと考えています。
コモディティ商品であれば、お客さまは「安く買えてよかった」というところに快を感じるものです。一方、私たちが扱うブランドでは、自宅の鏡の前で買ったジーンズをはいてうっとりしてみたり、友達に自慢したり、お客さまが自信と誇りを持ってはいていただき、「快」を感じてもらうこと、つまり購入後の「快」をいかに高めるか、が最も重要になってきます。
ジーンズは耐久性が高く、はけばはくほど味が出て、その人の人生が投影され、長い間着用してもらえます。従って購入したお客さまの人生と一緒に歩んでいくことのできる商品なのです。リーバイスは、お客さまが楽しいときも、辛いときも人生をともに歩む良きパートナーでありたい。そう自社商品のポジショニングを定義しています。
ですからリーバイスストアのスタッフにも「お客さまの人生のパートナー選びのために一番いいサービスをしてください」と話しています。
もちろん店舗には最良のパートナーを選び出せるだけの十分なラインアップを用意していますし、オンリーワンのリーバイスがつくれるカスタマイズサービスも展開しています。人生のパートナーを選ぶお手伝いができる、これが現場力の源にあると考えています ...
「リーバイスストア 新宿店」。リーバイスのジーンズをカスタマイズできる常設工房「The Levi's Tail or Shop」を日本で初めて導入した。