700万人に上る「団塊の世代」を中心に、消費のターゲットとして注目の集まる「シニア」層。50〜60歳代の読者から支持を集める雑誌『サライ』の辻泰弘編集長が語る、彼らが好むモノとは。
結論から言うと、「シニア」という人たちはいないのです。60歳になったからといって、ガラッとその人の性格が変わるわけではありません。ですから、いまの60歳代にはどんな心理的特徴があるのかを考えてみたいと思います。その価値観は15歳、20歳、30歳と、これまでの経験の延長線上に築かれたものです。
彼らは柔軟な見方をしますし、したたか。これは彼らが見てきた昭和ひとケタ世代の美意識が、ガンコさだったことへの反発かと思います。
また、何でもハマると本格的に勉強し、人に教えを請います。例えばスマートフォンを使いこなす人も少なくない。探究心の強い方が多いのは、学生でも社会人でも激しい競争を突破してきたからかもしれません。
30歳代にはバブル景気が ...
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