一度熱をあげたなら、強い愛情を注ぎ込む「オタク」。そんな彼らが尊ぶプレミアムとは─。昨年、創刊35周年を迎え、長年アニメの栄枯盛衰を見届けてきた雑誌『アニメージュ』の松下俊也編集長が「アニメ好き」を洞察する。

「アニメ好き」は常に「愛情を注ぎ込む相手」を探しています。何を好むかは年齢性別によらず、あるアニメ作品に14歳の女の子と30歳の男性のファンがいても、それが広い年齢層をカバーしている作品というわけではありません。表面上のデータでカテゴライズするのではなく、ファンのスイッチを押しているのは、作品のどんな部分かその本質を見極めることが、プロモーションに生かす上でも大切でしょうね。
近年アニメ作品の本数は増え続け、この春の新番組では50本を超えました。すべて見るのは困難な数ですから、「どの作品が、自分に見合っているか」を見極めることになります。「第1話」で、見続けるかどうかの6~7割が決まるシビアな世界です。
そんな彼らが尊ぶプレミアムは、金銭的な価値よりも…
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