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嬉しい驚き!記憶に残るプレミアム&ノベルティ

なぜ今プレミアム&ノベルティが大事なの?

一説には、江戸時代にまで遡れるという「おまけ」、現代で言う「プレミアム」は、当時からプロモーションの手法として活用され続けてきた。手法としての目新しさがなくなった結果、ユニークな企画を楽しむというよりは、販促のためのコストとしてとらえられるようになった感もある。しかし、いまや売り場は消費増税の“台風”の渦中。買うかどうかを悩む理性を飛び越えて、「欲しい」の感性スイッチを押す手法としてとらえなおし、光を当ててみたい。

プレミアムは“華”

今年4月から消費税が8%に上がり、買い物をする際には、本当に必要なのか、じっくり考えをめぐらせるようになった。

実際、2014年1~3月期に比べて、4~6月期の反動は大きい。日本経済研究センターが5月14日に発表した、民間エコノミスト42人の予測を集計した調査では、2014年4~6月期の実質国内総生産成長率は前期比年率でマイナス3.80%。想定内との向きもあるが、売り場での1~3月期からの反動減の実感は強い。

こうした状況下で、買い手の理屈抜きで「思わず手に取ってしまう」ような、商品や売り場自体に“華”、言葉にはしづらいものの確かに感じる魅力を、どうまとわせるか。いま、改めてプレミアム(景品)について考えるのは、この手法が商品や店頭に“華”を持たせるものだからだ。

いまさら聞けない基本の確認

「プレミアム」は、さまざまな語義で登場する。改めて、店頭プロモーションにおける「プレミアム」とは何だったか。確認をしておこう。

「プレミアム」とは、景品のことだ。消費者が、良い商品・サービスを選べるようにするための景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)上では、「景品類」は、

(1)顧客を誘引するための手段として
(2)事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
(3)物品、金銭その他の経済上の利益。

として定められている。

辞書的な意味では、「売る品物に添えて客に渡す品物」のこと。つまり、「おまけ」だ。行事・会合などで,参加者に贈る品物を指すこともある。

つまり、取引で得られる価値(商品・サービス・イベントに参加して得られる体験など)に上乗せした、「付加価値」=プレミアムだ。

景品類を提供する手段は、

(1)一般懸賞(クローズド懸賞)
(2)共同懸賞
(3)総付景品(ベタ付け)

がある。

(1)の一般懸賞は、「商品・サービスの利用者に対し、くじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類を提供すること」を指す。例えば、

(A)一部の商品にのみ景品類を添付していて、外観上それが判断できない場合
(B)パズル、クイズ等の回答の正誤により提供する
(C)競技、遊技等の優劣により提供する

などが例となる。

(2)の共同懸賞は、例えば、中元や歳末セール等の時期に、商店街(ショッピングビルなども含まれる)が実施するもの、市町村など一定地域の同業者の相当多数が共同で実施するもの、同様に一定地域の小売業者、またはサービス業者の相当多数が共同で実施するものなどだ。

(3)総付景品は、「懸賞によらず、商品・サービスを買ったり、来店したりした人にもれなく提供される景品類」のこと。「商品・サービスの利用者全員に提供」「来店者全員に提供」「申込み又は入店の先着順に提供」などが例となる。

クローズドは「コト」、
ベタ付けは「デジタル」へ

企業のクローズド懸賞を調査しているパルディア(東京・港)の調べでは、2013年の景品ランキング[図1]では上位にプレンダーやフライヤーなどの「調理家電」(2位)、目元をケアする美顔器などの「健康・美容家電」(4位)が挙がった。

同社の中沢敦社長は、これらが上位にランクインしたことについて、「普段の生活に無理なく取り入れられ、さらに自分の生活が良くなることがありありと思い描けるような、『コト』(経験価値)の要素を含むものが人気のようだ。健康やキレイといった右脳的、心理的にもとらえやすい価値を消費者が感じ取っているのだろう」と分析する。

一方、総付景品として人気が集まっているのは、「デジタルプレミアム」。特に、スマートフォン向けメッセージアプリ「LINE」で使える、「スタンプ」(気持ちやメッセージを伝えるイラスト)を、商品を購入したユーザー向けにダウンロードできるようにする企画が相次いでいる。

一般的な手法は、シールなどでシリアルナンバーを商品に添付。スマホからキャンペーンサイトにアクセスしてもらい、ダウンロードページでコードを入力すれば、スタンプがダウンロードできるというものだ。

スタンプは、LINEの有料配信サイトでも購入できるが、調査会社MMD研究所が5月8日に発表した調査では、「購入したことはない」とする利用者が70.4%に上っている。「買うのはイヤだが、新しいものが欲しい。LINEのスタンプも、『買うまでもないがもらえると嬉しい』プレミアムの定石の一つと言える」と中沢社長は見る。一方、メーカーにとってのメリットは、「商品への添付が従来のモノのプレミアムに比べてコストを減らすことができる。自社のキャンペーンサイトを経由させられる点なども、サブ効果として挙げられるのではないか」と話す。

結果、さまざまな業態の企業が、LINEスタンプをキャンペーンに導入するようになった。毎月のようにスタンプダウンロードキャンペーンのプレスリリースが飛び交う。

実施企業が増えれば、消費者にとっては、さほど驚きのないものとなっていく。彼らは常に「驚き」を欲している。買い物が本来持つ、楽しさを満喫したいと思っている。モノを受け取るときのサプライズ、それは贈られる人も、贈った人も等しく気分を高めてくれるものだ。プロモーションでも、顧客が驚き、パッと明るくなった顔を見るのは嬉しい。実際、驚きを提供することで、ブランドと消費者の距離は縮まるはずだ。

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