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業界別販売促進

子どもの誕生で変化する移動・旅行・商業施設のプロモーション(前編)

日産自動車/日本航空/三井不動産/ベネッセコーポレーション

「子どもの誕生」は、新たな消費が発生する契機でもある。さまざまな企業が出産・育児世代の家族のニーズを捉えた商品やサービスを提供し、需要拡大や新たな顧客開拓に取り組んでいる。子育て世代にアピールすることで、未来のファンづくりにつなげる狙いもある。また、この市場では、ターゲットを同じくする異業種の連携によるプロモーション活動も盛ん。お互いにコラボレーション施策の実績もある4社に話を聞いた。(取材・文 前田はるみ)

出産・育児世代の家族に対する商品・サービス提供に力を入れる3社と、出産・育児雑誌を出版するメディア企業に集まってもらい、座談会を開催した。子どもの誕生によって生じる家族のニーズをどのようにとらえて購買や利用者増加につなげているのか、販促施策や集客施策、サービスの取り組みについて語ってもらった。

左より、三井不動産 黒岩 哲也氏、日産自動車 青山真理子氏、日本航空 西尾卓也氏、ベネッセコーポレーション 湯田 圭氏

母親の負担を軽くし幸せにする商品・サービス

――「子どもの誕生」によって生じる消費者のニーズをどのように捉え、それに対してどのような商品やサービスを展開していますか。

青山▶ 車は男性主導で選ばれるイメージがありますが、車の購入時に女性が関与する割合は6~7割あると言われており、以前から女性に向けた取り組みを進めてきました。子どもが誕生すると、子どもを病院や保育園に送り迎えしたり、子どもを抱えながら買い物袋を持つのは大変なので、車で買い物に出掛けたりする必要性が生じます。これまでペーパードライバーだった奥さまが車に乗るようになったり、むしろ乗らざるを得ない状況になったりして、子どもの誕生が車の購入のきっかけになることは調査データでも顕著に表れています。

今年2月に発売した「デイズ ルークス」は、子育て世代の母親の要望を取り入れて開発した、スーパーハイトワゴン(背の高いタイプの軽自動車)です。後席の室内の広さや快適性、両側スライドドアの設置はもちろん、母親の運転しやすさを考えた先進利便装備、後ろに座る子どもがぐずらないような工夫が満載です。中でも私が一番好きな点は、運転席にいるお母さんが後ろのお子さんに手を伸ばしやすいよう、運転席のシートの角が丸くなっているところ。どれも小さな工夫ですが、前席に乗るお母さんも、後席に乗る家族もハッピーになれるように作られているのがこの車の特長です。

西尾▶ 子どもの誕生が商品購入のきっかけになるという話でしたが、航空会社である私たちの場合は、出産によって飛行機を使った旅行への心理的ハードルが生まれるように感じています。いまは飛行機を使った旅行が身近になり、またLCCの参入により旅行の選択肢も増えています。にもかかわらず、独身時代にはいろいろな場所へ旅行していた方が、結婚して赤ちゃんが生まれると、「小さな子ども連れの外出は大変、まして飛行機なんて......」と思われているケースが多いようです。私たちとしては、お子さんが小さいうちから異なる国や文化に興味を持ち、広い視野を持って成長していただきたい。ご家族で旅行されるという特別な機会を多く持っていただきたいのです。そのためには、母親が安心して飛行機を利用できるようサポートすることが大切だと考えています。

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