串カツ田中とunoが異色のコラボ プロの企画書を公開
ファイントゥデイが展開する「uno」は2024年11月1日、串カツ田中ホールディングスとのコラボ企画「#男もアゲるコラボ」を開始した。
マル秘公開 これがプロの企画書だ!
ジェイアール東日本企画 コミュニケーション・プランニング局 プランニングディレクター 高野裕美氏
調査会社、事業会社のマーケティング部門を経て、2008年入社。マーケティング、コミュニケーション領域のプランニングを担当。
始めに、市場環境についてまとめています。水産加工品の生産量は年々下降傾向にあり、家庭での消費を見ても、秋冬のお鍋の時期・おせちの時期は比較的消費が伸びるものの、夏場に落ち込むという課題が見られます。現状、練り製品は「家庭の主婦が買って家族で食べるもの」「おでんとして食べるもの」という画一的な消費しかなされていないのではないでしょうか。そこで我々は、御社の練り製品と消費者の新しい関係性を築くことができないかと考えました。
練り製品と消費者の新しい関係性を築く。新規ユーザーにこれまでとは異なるシーンで購入してもらうことを目標とし、そのために、従来のデモグラフィック属性によるセグメントではなく、「移動中」という状況をターゲットにした視点での、商品企画からプロモーションを今回は提案します。
まず、なぜ移動者に着目するのが有効なのかについてお話しします。モノや情報があふれる現在、マス広告でアテンションをとっても、実際のアクションにつながりにくくなっていると言えます。そこで我々が着目したのが、アクションの直前にある「移動シーン」です。弊社実施の調査で2万6000件以上の買い物を分析した結果、「移動中に決めた買い物」、非計画来店は実に4割を占めていました。つまり移動シーンは「店に行く」「買う」という意思決定が行われる、とても重要なオケージョンであると考えています。また、単にデモグラフィックで切るだけでは見えてこないターゲットを設定することで、新規ユーザーにアプローチする切り口も見えてきます。
マス広告やインストアで生活者に働きかけるだけでなく、買い物の場の手前にいる移動者に対してさまざまな形でコミュニケーションしていく。移動時特有のインサイトを刺激することで、ショッパーに変える。それが移動者マーケティングの基本的なコンセプトです。