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アメリカ現地レポート 顧客・市場へのアプローチ戦略

健康市場へのアプローチ「Shopping for Health」販促戦略

橋爪栄子

常に最先端のプロモーションが行われ、世界から注目されているアメリカ。そこでいまヒットしている・話題になっている商品や店舗は、どんなプロモーション戦略の基で行われ、どんな工夫がなされているのか。消費者に受け入れられている理由を、現地から毎月レポートする。<文>Eiko Hashizume

健康促進のための食品選びと
購買行動をリードするために必要なこと

国民の3人に1人が肥満の国、アメリカは、長年にわたり肥満防止に向けた方策を矢継ぎ早に実施してきたにもかかわらず、肥満人口は年々増加し、2030年には全人口の42%が肥満、11%が病的肥満(BMI40以上)に達すると米医学研究所は警告する。

さらに肥満が原因となる心臓病やガンにかかる人も多く、医療費の高額負担により自己破産する人も少なくない、という。

上記のような背景から、米国では消費者の健康に対する意識の向上、危機感の高まりが顕著で、食品の購買行動にも大きな変化がみられるようになってきた。

2013年、「Food Marketing Institute(FMI)」と健康雑誌『Prevention(Rodale社)』が共同で行った「食品の購買行動に関する調査」(*1)によると、ショッパー(買い物客)の3分の2は、スーパーマーケットで栄養価の高い食品を選び(ジャンクフードなどの健康に悪い食品を避けて)食改善に努めることが、健康になるために重要だと認識している、と報告した。さらに、ショッパーの54%は病気になるリスク軽減のための食品を選ぶことが大切であると回答し、35%は心臓病予防に効果がある食品を選ぶことが重要、27%は医者のアドバイスによって食品の選択をしていると、回答した。

しかし一方で、その重要性は分かっていても、実際に健康的な食改善ができていない、とするショッパーが全体の半数を占める、という結果が出た。そして、その理由には、栄養に関する表示が複雑で分かりづらく、どの食品の栄養価が高く、健康増進に寄与する食品なのか、どの食品がそうではないのか、を見極めることが難しい、という意見があった。また、これに加えてスーパーマーケット内で健康に関連のある情報提供や健康プログラムなどのサービスを一度も見たことがない、と答えたショッパーが全体の3分の2におよび、購買時における栄養に関する情報の提供不足が課題として浮き彫りになった。

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