『販促会議』が創刊されたのは1997年。そこからの16年で大きく変わったのは、インターネット環境です。プロモーションのデジタル化が一層進み、手法としての手軽さ便利さが増すと同時に、今や、いかにデジタルを活用しながら、リアルな体感・実感へと結び付けられるかが重要になってきました。この企画では、本誌で取り上げた特集や事例などを振り返りながら、これからの、新たなプロモーションの未来を探っていきます。

創刊5周年記念号(2002年7月号)。モバイル活用について特集しました。
第2回 2001年~2003年
モバイルプロモーションの登場と隆盛(1)
シリーズ第2回は、2001〜2003年という、21世紀最初の3年間です。1999年の「iモード」登場以降、インターネットアクセス機能を備えた携帯電話が一気に普及し、2001年には約6000万台のうち、3400万台が、ネット接続が可能な端末となっていました。それに伴って、プロモーションも変化。ネット接続が可能な携帯電話そのものがクローズド、オープン懸賞の賞品として人気となったことは前回触れましたが、キャンペーンの応募手段として、インターネット経由で応募、参加するものも増えてきました。とはいえ、まだそれまでの「はがきで応募」と併用するというのが一般的でした。
そうした中で、キリンビバレッジが2001年3月実施にした「ネットでFIRE」キャンペーンは、応募をインターネット(パソコンもしくはモバイル)のみに限定したクローズド懸賞として注目を集めました。それまでのインターネットを使った懸賞は、ほとんどがオープン懸賞でした。その理由は、ネットでは購買証明が難しかったから。それを解決する施策として、いまではよく見られるようになりましたが、商品添付のシールにシリアル番号が振ってあり、キャンペーンサイトにアクセスしてそれを入力する方法をこのキャンペーンは採用したのです。