買い物の楽しさを提供する店づくりや陳列で、若い女性を中心に支持される輸入生活雑貨店「PLAZA」。当連載では、その運営を手掛けるスタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニーのストアマーチャンダイザーやバイヤー、ショップスタッフが、売り上げにつながった販促ツールを紹介する。
2012年9月にオープンした上野マルイ店では、複数種類のぬいぐるみ商品を平台で展開するとともに、特に打ち出したい注力商品だけをタワー型什器に抜き出して陳列。平台で展開したほかのぬいぐるみと比べ、数倍の売れ行きとなった。
タワー型什器は一般的な店頭陳列什器だ。しかしプラザでは、タワー型什器を「単品訴求に特化したツール」と位置付けて活用し、売り上げ伸長につなげている。
例えば、2013年12月20日にオープンしたイオンモール幕張新都心店では、キッズスペースにおいて「キネティックサンド」という幼児用玩具の販売を強化。色々な玩具が試せる体験コーナーに設置するとともに、同商品だけをタワー型什器に抜き出して陳列した。
その結果、同商品の販売数量は12月20日~1月14日の26日間で139個、同店の全ジャンル中の12月度売り上げランキングでは3位となった。同店の店舗コンセプトを手掛けたストアマーチャンダイザーの長谷 誠氏は、「比較的高単価(1890円)の幼児用玩具として驚異的な販売数です。ランキングも、通常ベスト10は化粧品と菓子が占める中で、玩具が3位に入ったのは快挙でした」と話す。
ポイントは、タワー型什器1台につき、1種類の商品だけを固めて陳列することだ。プラザでは従来、品ぞろえのボリューム感で"商品を探す楽しさ"を演出する一方、特定の商品を際立たせ、来店客に気付かせる方法を模索してきた。その方法が、当連載でも紹介した「アクリルボックス」による使用イメージの展示(『販促会議』2014年1月号掲載)と、今回のタワー型什器による単品陳列だ。
「タワー型什器を使うと、小さなスペースで一つの商品を大量に陳列し、密度を高めることができるため、売れ筋、もしくはプラザとして売りたい商品をお客さまに直感的に伝えることができる。あくまで感覚値ですが、新商品だけでなく以前から販売していた商品でも、タワー型什器に抜き出すだけで、最低3倍は売れ行きが向上します」と長谷氏は話す。