インタラクティブ性の高いOOH(アウト・オブ・ホーム・メディア)によって、生活者に新しい体験がもたらされている。交通広告の前を通る人に合わせて内容が変化したり、スマートフォンを使って屋外広告の表示内容を参加者自らが変えられたり、追加の情報や動画が見られるなど、従来の広告とは異なる機能が生まれている。こうした仕組みをプロモーションにどのように活用できるのか。その可能性や課題について座談会を行った。
インタラクティブ性の高いOOHの魅力や課題、可能性について話し合った。
写真左から田島充氏、吉田勝広氏、二宮功太氏、志伯健太郎氏。
リアルに触れることができる メディア特性
─過去に手掛けたOOH関連のプロジェクトについてお聞かせください。
吉田▶オリコムは1928年、当時の国鉄の有料広告第1号を扱い、真っ先に交通広告を事業化した企業で、多くの交通広告を取り扱ってきました。私個人としては、デジタルサイネージコンソーシアムの理事として、デジタルサイネージをOOHとして活用するための普及促進活動を行っています。また日本鉄道広告協会においては、技術開発委員として新しいテクノロジーをOOHに利用する研究を進めているところです。
田島▶私どもで提供しているソリューションに、特定エリアを通過する歩行者を個別に認識して、漫画のフキダシのような広告を投影する「フキダシステム」という広告システムがあります。当社 ABEJAにいただく問い合わせの大半がこのシステムを使いたいという話なので、それに対してどのようなクリエイティブで演出したら歩行者の目を引き、楽しんでもらえる広告になるのかをお客さまと一緒に考え、つくり上げています。