企業が売り上げを高め、顧客を拡大――その過程にはいつでも販売の現場を大切にする社長の知恵が生きている。本連載では、販売の現場から次々とユニークなプロモーションを生みだす成長企業の経営陣を紹介。その販促の考え方を取り組み方とともに紹介する。
取材・文 上妻英夫(KIプレス)/経済ジャーナリスト メルマガ「いま、売れる方法はこれだ!『上妻英夫の販促大学』」
「お客さまに価値を提供することで勝ち組になる」と話す、代表取締役社長の和泉學氏。写真を撮影した本社併設の「花の舞 両国国技館前店」は600席の大型店舗で、実物大の土俵がある。
魚の可能性を追求し、日本一の水産居酒屋を目指す
外食業界の動きは非常に激しい。いまやコンビニ業界のひとり勝ちと言われる中で、ファストフードなど外食企業の競争はますます激化しているのだ。居酒屋業界も一進一退が続き、過当競争の状態が続いている。そうした中で成長を続けている居酒屋チェーンが、独自の経営で着実な事業展開を行っているチムニー(本社・東京都墨田区)である。
2013年12月12日、東証2部上場の居酒屋大手、チムニーの筆頭株主が米投資ファンドのカーライル・グループから酒類販売のやまやに代わった。これにより、酒販店と居酒屋の相乗効果が期待されている。同社は、居酒屋業界の全体が厳しい中で、新業態の出店など着実に業績を伸ばしている。2014年は同社設立30周年の節目にもあたるため、この1年間で新規出店40店、改装・修繕も含めた業態転換50店を目標に掲げている。
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