ナムコは10月31日、アニメやゲームの世界観を体験できる飲食店「キャラクロ」を、東京・池袋にオープンした。一定期間ごとに変わるテーマ作品のストーリーに基づき、参加型のコンテンツやイベントなどを提供する。同社が持つ“フードエンターテインメント”の知見を生かし、作品ファンを楽しませる仕掛けで継続的な集客を目指す。
席数は約50席。183インチの大型スクリーンのほか、全席から映像が見えるよう、店内7カ所にビジョンが設置されている。池袋という土地柄、1号店は女性客が中心だが、2号店以降は秋葉原などの男性客が見込める立地も検討中検討中だという。
キャラクロでは現在、第1弾テーマ作品である人気アニメ『TIGER&BUNNY』に登場する「HERO'S BAR」をテーマとし、同作品のキャラクターなどをモチーフにしたメニュー22品を提供している。
開業日には事前予約の抽選倍率が30倍を超え、12月中旬現在も予約なしでは入店できないほどの人気が続いている。そのため当面は100分入れ替え制の運用を続ける。
同社 エンターテイメントクリエイト部第1企画チームの高原伸幸氏はこの集客状況について、「特にコアファンを意識した細かい仕掛けを徹底することで、何度も来たいと思わせる空間づくりができているのでは」と話す。実際、高い抽選倍率にもかかわらず、すでに2回以上来店しているリピーターも多い。初回来店時には「テレビ局の新人AD」という設定でポイントカードが進呈され、来店のたびに役職が上がる仕組みで、すでに最高職の「プロデューサー」になった人も10人以上いるという。役職によってウェルカムサービスの待遇が変わる演出も、リピートを促す動機の一つとなっている。
そのほか特徴的なのが、大型スクリーンを活用した映像演出だ。特に、来店客がルーレットに挑戦し、当たったキャラクターの特別映像を放映するミニ企画は大変盛り上がるという。こうしたイベントや、双方向型コンテンツである「ランキングマシン」、店内各所に隠された“小ネタ”に関して、SNSやブログでの発信も多く、それが新たなファンの来店促進につながっている。