『言える化』
遠藤功 著 潮出版社 刊 1400円+税
経営コンサルタントとして数百もの企業と接してきた著者も驚いた、赤城乳業の強さ。社員の自由度が高く、若手社員が何でも「言える」会社の土壌は、どのようにつくられたのか。20名以上の社員インタビューからひも解いた1冊。
入社3年目の社員が
ヒット商品を開発
赤城乳業の「ガリガリ君リッチ コーンポタージュ(通称コンポタ)」は、発売後大きな話題となりましたが、この商品を生み出したのは入社3年目、5年目の若い二人組でした。赤城乳業では若手社員に大きな仕事を任せており、ときには失敗して挫折しながらも、輝いて活躍しています。それが会社の競争力になっているのです。
若い人は経験がありませんから、会社の中では通常、経験の長い人のほうが力を持ちます。しかし「何も知らないから」と若手社員の意見を聞き入れずに議論を終えてしまうと、若いクリエイティブな考え方が眠ったままという状況が生まれがちです。「コンポタ」のような異質なサプライズ商品も、ほかの会社なら商品化どころか企画すら通らないかもしれません。
若い人が自由に何でも「言える」土壌をつくり、管理職側も「聞く」度量を持つというのは、組織を活性化する一つの方法です。しかし口で言うほど簡単にできることではありません。人間はどうしても過去の経験に縛られて未来を見てしまうからです。赤城乳業では「言える化」を促進するような、さまざまな工夫を積み重ねています。
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