ファッションの魅力をいかに訴求していくかが求められているアパレル業界。「snidel」はブランディングを確立しながら独自のファッショ発信を行い、グローバル進出にもつなげたブランドの一つ。
専門店業態がファッション市場を牽引
春の到来が遅れ、いきなりの猛暑、ようやく終息したかと思えば続けざまに週末を襲う台風。「業績不振を天候のせいにするなかれ」のファッション業界ではあるが、2013年は「これまで経験したことのないような」自然現象に翻弄(ほんろう)された。そうした中、13年も各地でファッション商業施設の新設や大規模リニューアルが相次ぎ、一様にオープン景気に沸いた。アパレルゾーンを牽引したのは、ファストファッションやコモディティを展開するSPA(製造小売)、小物・雑貨比率を上げたライフスタイル提案型ショップといったところだ。こうした専門店業態の駅ナカ、空港などのトラフィックチャネル進出やテレビCM展開などもトピックとなったが、マーケティング戦略の話題の中心はなんといってもO2O(Online to Offline)であった。
顧客の満足度を高めるネットとリアルの連動
「O2O元年」となった13年。引き続き14年もO2Oが重要なキーワードとなる。インターネットとリアル店舗との双方向送客を指すO2Oは、自然成長期を終えたECにおける販売を伸ばすための有力なマーケティング概念ともいえる。
その背景には爆発的なスマートフォンの普及、それに伴うSNSの利用拡大という一連の流れから、自らがメディアと化してオンラインとオフラインを行き来する消費者の台頭がある。変調した消費行動に対して、アパレル業界もネットとリアルの連動および一元管理化を図り、満足度の高い関係性の構築が急務となり、さらに、あらゆるチャネルを連携させるオムニチャネル化がすう勢となろう。とはいえ、時流だからと闇雲に顧客接点を増加させるだけでは思うような成果は得られない。