ブラジャーのストラップに薄型の磁石を付けることで、手持ちのストラップを付け替えるだけで手軽に肩こりケアができると人気の「コリを勝手にほぐす 磁気のブラストラップ」は、緻密な消費者調査を重ね、商品化へとつなげていった。

「年寄りくさい、目立つなど、20~30代女性が、肩こりケア商品に持っているマイナスイメージを解消する商品ができれば、新しい市場が開拓できると思った」と話すのは、商品開発を担当した畑中一美氏。そのアイデアが「ブラストラップに磁石を仕込む」だった。消費者調査でも、「その手があった!」「なるほど!」といった声が多かったという。企画書には、そうした「消費者調査の結果」を盛り込み見せ方を工夫した。
モニターの生の声を多く入れ、80%もの人が使いたいと評価したことも強調。取り込めていなかった層を取り込めることを、分かりやすく伝えることに注力したという。商品特長を最大限に伝えるパッケージについても棚に並べてテストを重ね、結果を企画書にフィードバック。消費者インサイトを詳細におさえた結果、バラエティショップから展開して感度の高い人に広めていく販売戦略にまで落とし込まれていった。

商品化にあたっては、マーケティング部の会議で承認されることが第一歩。当初は、ストラップ全体に磁石を仕込むというアイデアだった。「企画書は、結論から先に、なるべく短く、ビジュアル優先で書くようにしている」(畑中氏)。
開発事業部会議における企画書
提案時期:商品化決定してから、最終的に商品発売に向けての企画書
プレゼン相手:本部長はじめ各部の部長
企画書データ
(2)モニターの製品評価を具体的な声とともに明示。
(1)で課題として挙がっていた要素「ニオイ」「かぶれ」「目立つ」が解決されていることを強調する。またコリケア商品で80%もの人が使いたいというのは非常に高い数値なので、その後のプロモーションにも使用した。
(3)(4)6案のパッケージデザインの中からどのように最終候補の2案を選出したのかについて、テスト内容を詳細に説明。伝わりやすいよう最初に選ばれた2案がどれかを明示。それから、どのような条件で調査を行ったのかを説明するという「結果→理由」の順番で見せていった。