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トップの現場力

「サーティーワン」チェーン展開40周年、楽しい店づくりの秘訣は"伝える力・聞く力"

B-R サーティワン アイスクリーム 渡辺裕明・代表取締役社長

日本で全国1100店舗以上展開するアイスクリーム専門店「サーティワンアイスクリーム」。日本でのチェーン展開は今年40周年を迎え、記念フレーバーや他社とのコラボレーションなどさまざまな企画を打ち出している。

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日本での展開が今年で40周年を迎える。ユニクロとの異業種コラボレーションや記念フレーバーの発売など、「We make people happy.®(アイスクリームを通じてお客さまに幸せを届ける)」の通り、顧客を楽しませる施策を展開している(写真は目黒店)。

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B-R サーティワン アイスクリーム代表取締役社長
渡辺 裕明氏

1956年生まれ。85年B-Rサーティワンアイスクリーム入社。直営店を経験。2003年4月執行役員社長室長、07年4月常務執行役員管理本部長兼社長室長、09年3月取締役管理本部長兼経営企画室長、11年3月常務取締役管理本部長を経て、13年3月に代表取締役社長に就任。趣味は映画観賞とサッカー観戦。

貴社にとっての現場とは?

まず、申し上げておきたいのは、当社はフランチャイズビジネスであって、ほとんどの店舗が加盟店であり、直営店はお台場にあるようなフラッグシップの15店舗だけということ。つまり、「当社の現場=すべての店舗」ということではありません。また、アイスクリームを製造しているというメーカーの側面もあります。従って、メーカーでありながら、同時に製品を流通に流して終わりではなく、店舗で人の手を介してお客さまにダイレクトにお渡しする、そしてそのお渡しするところを加盟店に行っていただくという流れでビジネスが成り立っています。

ただ、アイスクリームを販売する店舗は加盟店のオーナーさんやその会社の店長、アルバイトスタッフなど、お客さまに商品が手に渡るまでの間に多くの人がかかわります。だから、本部の考えや、会社の経営理念などをしっかり伝えるのが難しいと感じています。

そうした中でも絶対に伝えなければいけないのが、「現場で働いている人が楽しくなければ、お客さまを喜ばせることはできない」ということ。仕事をやらされている感じや、ただ働けばいいという気持ちだと「アイスクリームを通じて人々に幸せを届ける」という企業理念を実践することはできません。

では、「現場で働く人を楽しくする」ために必要な現場力とは何でしょう?

私は「聞く力」と「伝える力」が欠かせない現場力だと思っています。どちらも重要ですが、特に本部やオーナー、店長に必要なのは、「伝える力」。そしてスタッフ側は主に「聞く力」が求められます。それらを高めるために、本部にはさまざまなプログラムがあります。その一つが「店長会議」です。これは、我々の今後のアクションプランを説明するために東京・大阪に各店の店長を集める会議で、年に4回実施しています。また、当社の営業担当が主催して、各エリアで10~20人の店長を集めて毎月「エリアミーティング」も行っています。そこでは、連絡事項の共有のほか、毎回テーマを決めてディスカッションを行い、成功事例の共有なども行っています。

ほかにも、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に毎年抽選で選ばれた200人の店長を2泊3日で連れて行くことも行っています。当社はUSJとマーケティングパートナーシップ契約を結んでいて、施設内の3カ所の店舗で販売しています。200人をグループに分けて施設内を回り、来場者の目線でアトラクションやオペレーション、サービスを体験し、ホスピタリティとは何かを考える機会としています。これもやはり、売る人が楽しくないと、お客さまを楽しませることはできない、ということを実感するためのプログラムです。

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