販売促進の専門メディア

消費増税への処方箋

独自の「世界観」が価値を生み出すメカニズム

村松達夫(スタンド・バイ経営コンサルティング 代表)

044_01.jpg

「高くても欲しい」と顧客が集まるサービスの好例を表面的に真似しても、一時的な効果しか期待できない。いまの時代に安売りせずに、顧客に特別な価値を感じてもらうには、ビジネスの社会的意味に立ち返り、独自の「世界観」を打ち出す必要があるとコンサルタントの村松達夫氏は指摘する。ここでは値下げしないと売れないと思い込んでしまう人に向け、世界観が価値を生み出すメカニズムを解説する。

もはや商品では差異化はできない

もはや商品で差異化を図るのは難しい、というのは誰もがうなずくところだろう。ではこれからの企業はどのように価値をつくっていったらいいのか。値下げ競争から解放される方法はあるのだろうか。そのヒントになるのが、近代マーケティングの父、フィリップ・コトラーが提唱する「マーケティング3.0」の考え方だ。ここでは分かりやすく車の例で説明しよう。

戦後の高度成長期にはとにかく新車を作れば売れた。これがマーケティング1.0だ。しかしバブル期にモノがあふれると、リクライニングシート付きだの、ツインカムエンジン搭載だのと顧客のニーズに応える付加価値を提供し、消費者志向で差異化を図るようになる。これがマーケティング2.0だ。

しかし顧客のためとあまりにも連呼しすぎたため、その薄っぺらさにうんざりし、小手先の付加価値の訴求は通用しなくなってきた。そこで注目されてきたのが社会志向。単に顧客にとって良いかどうか、ではなく商品を買うことが社会のためになるか、という観点だ。これがマーケティング3.0。その典型例が、乗ることが環境に配慮しているエコカーである。

このように、買うことが本当に社会のためになっているかを消費者が重視するようになる中で、各企業が世の中にとって有益で、かつ魅力的な「世界観」を明示することが、価値の創出につながっているのである。

あと73%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

消費増税への処方箋 の記事一覧

「+安心感」「+物語性」で新価値を提示する事例まとめ
「+特別感」「+不便の解消」で新価値を提示する事例まとめ
独自の「世界観」が価値を生み出すメカニズム(この記事です)
購入前から購入後まで、いかにデジタルによる「価値づけ」を行うべきか?
選ばれる店・商品になるための3ステップ
企業主語の発信は受け入れられない!エクスペリエンス・マーケティングのすすめ
商品やサービスの価値を高め、生活者が買いたくなる演出とは?(後編)
商品やサービスの価値を高め、生活者が買いたくなる演出とは?(前編)
各国の市場分析を進め、グローバルなお客さま満足創造へ
「こだわりマインド」が拡がり、本物選択志向の時代へ
デフレに慣らされた消費者たち。メリットを享受するには時間がかかる?
ハウスカードによるCRMと店頭コミュニケーションを強化、オンリーワンブランドへ
「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」に見る、価値を生むコラボの条件
外食業態に不可欠なのは、店長のコミュニケーション能力
生活者の3割超「消費増税に備えた、家計防衛策を考えている」
赤ちゃんの「抱っこひも」をペット愛好家にも!ズラしの手法で売る
コストカットされやすいカテゴリーを検証。2014年増税後の消費意欲はどうなる?

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する