
(左)ショッピングモール内で使えるクーポンが配信され、お得に買い物や食事が楽しめる。
(中)店舗スタッフが投稿した写真が見られる。店舗側は在庫の状況を見ながらタイムセールを行い、リアルタイムで情報を配信できるのが魅力だ。
(右)広いショッピングモールでもスマホのアプリを見ながら歩けば、目的のショップに簡単にたどり着くことができる。
スマホユーザーが増えるにつれて盛り上がりを見せているのがO2O(online to offline)の取り組みだ。
東京都町田市にあるショッピングモール「グランベリーモール」では、KDDI、大日本印刷、三井物産、東急モールズデベロップメント、イッツ・コミュニケーションズの5社で、5月13日からアプリを使ったO2Oの実証実験を行っている。買い物客のスマートフォンに対し、各ショップが配信する情報やクーポンがまとめて見られるアプリ「すなっぴん」と、モール内の敷地内周辺にいるとクーポンがプッシュで配信されるアプリ「くーぴん」の2種類が用意されている。
グランベリーモールには約100店舗あるのだが、そのうち約60店舗が実証実験に参加している。
店舗側は写真やコメントを投稿できる仕組みがあり「今日の日替わりメニュー」や「バーゲン情報」を記載することで、買い物客に知らせることが可能となっている。実際に、店舗スタッフがモデルとなり、オススメのコーディネートを紹介するアパレル店舗などもある。
店舗に話を聞くと「写真を上げて告知するにはパソコンが必要であるため、ここは改善して欲しい」という意見があったが、スマートフォンで簡単に情報をアップできるようになる機能の検討を始めているという。
ショッピングモールは広大な敷地に多数の店舗があるため、買い物客はなかなか目当ての店舗や商品が見つけられないことも多い。その時は、場内に掲示されている地図やパンフレットを見ながら歩くことになるのだが、スマートフォンのアプリであれば、簡単に目的の店舗に到達することができる。
このようなアプリがあれば、普段は通り過ぎてしまうお店でも、クーポンなどのお得情報が配信されていることで、新規の買い物客がちょっと寄っていくということも期待できるだろう。
今回、グランベリーモールでは敷地内にいくつかの無線LANスポットを設置。アプリによって、買い物客がどのように敷地内を歩いたかという動線を把握することができる。買い物客の流れを分析し、将来的には買い回りなどの販売促進にも生かしたい考えだ。
この実証実験は、当初、6月末までの期間限定であったが、好評だったために7月末まで延長となった。さらに9月末まで延長することも検討しているという。
また、KDDIや大日本印刷では、将来的にはこの仕組みを巨大なショッピングモールが多い海外でも展開していきたいとしている。
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石川 温(いしかわ・つつむ)氏ケータイ・スマートフォンジャーナリスト。1999年に日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。『日経トレンディ』編集記者を経て03年に独立後、ケータイ・スマホ業界を中心に執筆活動を行う。メルマガ『スマホ業界新聞』(ニコニコ動画)を配信中。 |
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