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「糀」をブームで終わらせない、マルコメは定番売り場をいかに獲得したか

マルコメ「プラス糀(こうじ)シリーズ」

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食材ごとのレシピBOOKがクロス展開を後押し
肉、魚介、野菜、きのこと素材ごとのレシピBOOKを作成。16ページものボリュームで、長く使ってもらうことを狙った。

マルコメは、同社の糀(こうじ)を使ったシリーズ商品「プラス糀シリーズ」を展開している。昨年秋からは、シリーズ商品を集めた定番売り場獲得のための活動にも注力。これまでなかった「糀」という新しいカテゴリーの商品を展開するうえで、関連商品との併売やコラボレーション企画の展開を行った。

グロッサリー売り場から飛び出せるコラボレーション企画は大歓迎

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生鮮売り場でレシピとともにクロス展開
同社が商品発表会で行った精肉売り場でのクロスMDの事例。生鮮売り場では専用ツールなどと一緒に、レシピBOOKを設置。

糀は、メディアなどで大きく取り上げられたこともあり、昨年はじめごろから大きなブームとなっていた。同社もみその原材料である糀関連の商品を複数展開。これを一時的なブームではなく、「健康食品」として定着させるため、「プラス糀シリーズ」の売り場での工夫を重ねていった。中でも導入時期に力を入れたのは、ほかの食材売り場における併売だ。糀の特徴として最も分かりやすいのが"肉を柔らかくする"というもの。そこで、精肉売り場での併売などを提案していった。また、メーカーからの、柔らかくなることが実感できる肉の種類は「鳥のむね肉」というアドバイスを受けてパッケージにレシピシールを貼り付けたこともあったという。また、売り場に、専用の什器を設置して糀シリーズを並べることも行った。

プラス糀シリーズは、商品単体というよりも、何かの食材に対して使用する商品。店舗にとっては同時購買を促すアイテムとして魅力があることから、関連する食材を作っているメーカーとのコラボレーション企画も積極的に実施していった。その一つが、エスビー食品とのコラボレーション。シリーズ商品の「プラス糀生塩糀」と、エスビー食品の「おろし生しょうが」で作る"生塩糀しょうがダレ"を提案するという内容で、6月上旬から全国の食品スーパーで展開していった。売り場には、「生塩糀×生しょうが」と大きく書かれたリーフレットを設置。中には、生塩糀と生しょうがを5:1の比率で混ぜるだけでたれが作れることや、たれを「つける」「かける」「のせる」だけのお手軽メニューと、たれを使ったアレンジレシピとして6品目のレシピを掲載した。

ほかにも、2月にはイセ食品の「森のたまご」との共同キャンペーンを実施。そしてこの7月からは雪国まいたけとのコラボ企画が順次スタートしていくなど、さまざまな売り場で「プラス糀シリーズ」が展開されていく。

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