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消費者の発見・気づきを促す、売り場の活性化

かおりムシューダ・綾鷹・「パパン」シリーズ...ヒット商品に見る、クロスMD実例

エステー×日本コカ・コーラ×ハウス食品

来店者の購買意欲を高めるクロスMDやメーカー同士のコラボレーションなど、小売とメーカー、メーカー同士が協力して売り上げに直結するような動きがさらに求められるようになっている。しかし、企画の実現にはさまざまなハードルがあるのも事実だ。では、現場では何が課題となっているのか。協業を円滑に進め、魅力ある企画や売り場をつくるためには、どうしたらよいのか。メーカーの販促担当者に語ってもらった。

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エステー 浅野貴之氏(左)、日本コカ・コーラ 長谷川英樹氏(中)、ハウス食品 栗本宜長氏(右)

クロスMD最大の課題は売り場間の壁を超える事

─最近のクロスMD事例について教えてください。

浅野▶お客さまが購入を決定する動機の約7割が、店頭での気付きだと言われています。冷蔵庫内などの脱臭剤「脱臭炭」や、お米の虫よけ「米唐番」のクロスMDとしては、スーパーマーケットの中でも、特に来店客が集中する食品売り場で展開していこうと考えました。脱臭炭なら、冷蔵・冷凍食品売り場に関連商品として置かせてもらう。米唐番では、米売り場のほか、米袋や米びつなどの米を収納する用品売り場にも関連商品として並べていただきました。このような施策を大手スーパーの54店舗で展開したところ、売り上げ金額も個数も、導入前に比べて2倍ほど伸びました。

長谷川▶食品売り場における来店客の吸引力は、ほかの売り場とは圧倒的に違いますよね。そこを確保して商品を置き、お客さまに気付いていただくことで、格段にチャンスが広がる。その仕組みは、すごく分かります。ただ、違う売り場に出ようとすると、部門間の壁に突き当たることが多いです。その壁をどのように乗り越えているのでしょうか。

浅野▶部門間の壁は、バイヤーさんとの交渉だけだと難しい場合が多いですね。日用品部長に提案して、部長から食品部長へアプローチしていただいたり、その上の管理職の方にご理解を得る必要があります。

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冷蔵庫で使用するエステーの「脱臭炭」。冷蔵庫でニオイの気になるキムチと一緒に並べることで売り上げが大きく伸びた。いかに客の多い食品売り場で多面展開できるかが大きなポイントとなる。

長谷川▶衣食住と部門が分かれていて、特に住居関係から食品売り場へ行こうとすると、かなり上までの提案が必要ということですね。それは食品部門内でも難しい場合も多いですね。当社も同じような施策をしていますが、バイヤーさんから他部門に話していただこうとすると、まずそのバイヤーさんの説明資料をそろえます。ただ、あまり複雑なことを資料にまとめると、手間と感じられるのか、バイヤーさん自身が諦めてしまわれることもよくあります。そこが以前からボトルネックになっています。

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