相次ぐ参入、実用化は目前 宅配ニーズに応えるデリバリー・ロボット
FedExは2月27日、「デリバリー・ロボットによる配送テストを開始する」と発表した。AI化による配送コスト削減や年々高まる消費者の宅配ニーズへ対応するため、多くの米国企業が今、新しい試みに取り組んでいる。
先進企業の最新事例を現地から松本泰輔氏がレポートします。
FedExは2月27日、「デリバリー・ロボットによる配送テストを開始する」と発表した。AI化による配送コスト削減や年々高まる消費者の宅配ニーズへ対応するため、多くの米国企業が今、新しい試みに取り組んでいる。
「ASMR(Autonomous sensory meridian response)」とは、人のささやく声、布や紙の摩擦音、食べるときの咀嚼(そしゃく)音など、「脳に刺激や安らぎをもたらすリラクゼーション効果の高い音」という意味。YouTubeで5億回以上再生されている、米国でホットなコンテンツだ。2月上旬に開催されたスーパーボウルでも「ASMR広告」が数タイプ放映されるなど、広告業界に影響を及ぼしている。
オンライン決済会社Worldpayによると、2018年米国のモバイル端末による購買総額は2100億ドル(約23兆円)で、2017年比較で21%増となった。マーケットリサーチ会社のForrester Researchは、オンラインショッピングにおけるモバイルの割合は2022年までに50%を超えると予測している。このように小売業界で重要視されているモバイルショッピングだが最近、新しい動きがあると各社が報じた。
2017年、映画プロデューサーによるセクシュアル・ハラスメント事件から始まったMe Tooムーブメントは、女性の昇進の遅れや低賃金などへ論争が拡大した。そして2018年後半より米国では、数年前より見識者が指摘していた同じ商品でも男性用より女性用の方が高い「ピンク・タックス」問題が再燃している。
AI(人工知能)は今や電化製品から自動車までさまざまな分野で活用され、消費者の生活に欠かせないものになってきている。マーケティング業界では、特にデジタル領域で活用されているAIだが、別の形でAIをテーマにキャンペーンを展開する企業が今、注目を集めている。
多様な人種や文化が共存する米国で、広告業界は「時代遅れの白人主体社会」と以前から指摘され、行政からも「雇用機会の平等を」と再三指導を受けている。2010年版米国国勢調査によると、人口全体の人種構成率における白人の割合は72.4%。これに対し、広告・PR関連サービス従事者における割合は84.6%(2017年米国労働局調べ)と、平均より12%以上も高くなっている。こうした現状を変えようと今、職場のダイバーシティの実現や、人種・性別・年齢などによる差別・偏見をなくそうという動きが業界内から拡がっている。
かつては好調に売れていた商品やサービスも、時代とともに「両親や祖父母が好きだったブランドは、自分たちには古臭い」と若い世代に敬遠される場合がある。そんな状況下で、売上の落ちてきた老舗ブランドにてこ入れし、再活性化を狙う企業が今、注目されている。
2020年には総人口の40%を占め、米国経済の中心となる1990年代後半から2010年代前半生まれの「Generation Z(Z世代)」。生まれた時からスマートフォンや高速インターネットのある環境で育ったデジタル・ネイティブは、人種差別や男女平等、性的指向差別、環境汚染などの社会問題に関心の高い世代でもある。そんなZ世代にアピールしようといま、多くの米国企業が社会問題に積極的に取り組んでいる。
スタートアップを中心に新サービスやアプリが次々と誕生する米国。新しいビジネスには何かと障害がつきものだが、「とりあえずやってみよう」と走りながら調整するのが米国流だ。
1969年6月28日、同性愛者を取り締まる警察に抵抗する暴動が、ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」で起こった。この暴動は後に「ストーンウォールの反乱」と呼ばれ、同性愛者による権利獲得運動の転換点となった。これを記念し米国では毎年6月、「LGBTプライド月間」として各地でパレードや集会などが行われる。そして彼らを支援する企業は、単にLGBT関連商品を販売するだけでなく、さまざまな形でキャンペーンを行っている。