注目のメタバース、マーケティングへの活路とは?
昨今、マーケティング業界のトレンドワードとして急激な成長をみせているメタバース。今年初めに行われたCESでは、P&Gが新たな顧客体験の提供手段としての活用を発表するなど、実際にメタバースを採用する企業も増えてきた。なぜ今、多くの企業がマーケティング活動の一環としてメタバースに参入しているのか。「メタバースとは何か」を考えながら、その理由を中央大学 国際情報学部の岡嶋裕史氏がひも解く。
デジタル化の進展により、企業と消費者の間の接点は拡大を続けてきました。では昨今、世界的に注目される「メタバース」は、従来のオンライン上の顧客接点のひとつとして捉えるべきものなのでしょうか。それとも、これまでとは違う価値や活用法が見出せるものなのでしょうか。もうひとつの世界において、企業は生活者にどのような価値を提供し、コミュニケーション接点としてだけでなく、新たなビジネスをも創造していけるのでしょうか。国内の最先端の事例を通じて、考察していきます。
昨今、マーケティング業界のトレンドワードとして急激な成長をみせているメタバース。今年初めに行われたCESでは、P&Gが新たな顧客体験の提供手段としての活用を発表するなど、実際にメタバースを採用する企業も増えてきた。なぜ今、多くの企業がマーケティング活動の一環としてメタバースに参入しているのか。「メタバースとは何か」を考えながら、その理由を中央大学 国際情報学部の岡嶋裕史氏がひも解く。
韓国のLGエレクトロニクスが施策を展開したプラットフォームは、「あつまれ どうぶつの森」と「フォートナイト」。世界的にもユーザー数が多く、人気を集めている場で実施した。しかし、日常で利用してこそ役割を全うできる家電という商材の体験をなぜバーチャルで行うのか。同社のマーケティング統括責任者 宇佐美夕佳氏に聞いた。
SNSの登場で可能になった顧客との双方向的なコミュニケーション。しかしバーチャルで広がっていたのは、それ以上にインタラクティブで現実的なコミュニケーションだったと日産自動車の遠藤和志氏は話す。同社は「NISSAN CROSSING」のバーチャル化で、何に可能性を感じたのか。
小売り業界のメタバース出展も進んでいる。コロナ禍で厳しい状況となった大丸松坂屋百貨店も活用を始めているが、出品対象にした商品は食料品だ。なぜバーチャル上に日常食である食料品を出品したのか。その経験から得た「第3のチャネル」としてのメタバースの可能性を聞く。
リアルでの体験が肝になるテーマパーク事業もメタバースの参入を進めている。「サンリオピューロランド」を運営するサンリオも、昨年12月に「SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」を実施。どのような手ごたえを感じたのか。
KDDIが「バーチャル渋谷」の配信を開始したのは、1度目の緊急事態宣言下のこと。「メタバース」がトレンドワードになる前からバーチャル上でイベントやマーケティング活動を行っていた。これまで数々の企業の施策を見てきた担当者の川本大功氏が、メタバースでの広告展開・マーケティングの可能性を語る。
講談社が刊行する『ヤングマガジン』は昨年末、連載作品のNFT化を開始。電子化が進む「マンガ」という媒体に、新たな販売方法の選択肢を提示した。単行本ごとに購入するのが主流のマンガだが、NFT化することで具体的に何が変化するのか。作家と作品の在り方、そして今後の出版社におけるビジネスの可能性について、『ヤングマガジン』編集部の小林伸裕氏が語る。
メタバースが活用されているのは事業会社だけに留まらない。最新の技術を駆使して新たな価値を生み出しているのは映像の制作現場も同じだ。昨年12月に発足した「メタバース プロダクション」の小笠原 悟氏に、メタバースで変わる映像制作の現在地を聞いた。
事業会社のメタバース活用が続いているが、広告クリエイティブというアウトプットの領域においては、メタバースを活用することでどのような可能性が拡がっているのだろうか。三越伊勢丹の「REV WORLDS」をはじめ、メタバース空間の広告制作などに携わるhakuhodo-XRのリーダー尾崎徳行氏に聞く。
企業が続々と活用を進めるメタバース。仮想空間上に店舗を出店したり、実在する都市を再現する空間が生まれているが、気がかりなのが権利問題だ。「ブランドのロゴが無断で使用されたら?」「自社商品がユーザーに複製されたら?」マーケターやクリエイターが事前に知っておきたいメタバースにおける権利問題について、『宣伝会議』で連載をもつ弁護士の岡本健太郎氏が解説する。