身に覚えのない著作権侵害 求められる説明責任〈後編〉
カメラマンとして活躍する高峯江紀に突如降りかかったカメラ専門誌での盗用疑惑。身に覚えはないが説明責任を果たすべく、取材対応を任せていた助手の片岡力から話を聞く。しかし、出版社で違う写真が紛れ込んだとしか考えられない。事故か、事件か……。確たる証拠もないまま、『週刊暁』の御代川と対峙する。
「まさかのクライシス発生!あなたならどう対応する?」 小説で学ぶ、危機広報。
カメラマンとして活躍する高峯江紀に突如降りかかったカメラ専門誌での盗用疑惑。身に覚えはないが説明責任を果たすべく、取材対応を任せていた助手の片岡力から話を聞く。しかし、出版社で違う写真が紛れ込んだとしか考えられない。事故か、事件か……。確たる証拠もないまま、『週刊暁』の御代川と対峙する。
【あらすじ】高校時代の春休みに旅した北海道で、星空の美しさに感動して映像作家となった高峯江紀。仕事にも恵まれ、観た人たちに感動してもらえる作品を撮り続けることが自分にできる唯一のことだと信じてやってきた。そんなある日、助手である片岡力から「取り返しのつかないことをしてしまった」と告白される。
記者たちから記者会見を強く迫られたダンタノンホールディングス広報部長の龍崎晴臣。副社長の寺畑祐吉に会見を依頼するが、「一階で説明すれば十分」とはねつけられてしまう。互いに退かない二人に、広報課長の虻川豪が「広報が露払いを行います」と提案する。寺畑も渋々了承し、記者会見が開かれることになった。
インサイダー取引疑惑でダンタノンホールディングス社長の神野悟が逮捕された。常務執行役員兼広報部長の龍崎晴臣にとって、不祥事対応は屈辱であり汚点でしかない。「俺が出れば収まる」と高をくくってマスコミの前に現れるが、これまで情報提供という飴で手懐けてきたはずの記者たちから厳しく追求されてしまう。
電機業界で働く雨宮幹郎。上司の甲野光男の葬儀で、10年ほど前に甲野に紹介された神野悟と再会する。神野は年間売上高7800億円を誇るダンタノンホールディングスの社長に就任していた。再会を記念した食事の席で、神野は雨宮に株購入を勧める。その数日後、ダンタノンホールディングスに強制捜査が入った。
暁テレビの役員である伊佐山薫と風間武比古が暴力組織の緑星会と親密な関係であることを示す写真が大東京新聞社会部に届く。暁テレビ広報の永瀬誠は記者の大里真由子から問い合わせを受けるが、何も知らされていなかった。永瀬が疎外感を感じる中、大東京新聞は第一報を報じる。そして暁テレビは会見を聞いた。
【あらすじ】暁テレビ情報局次長の美波徹のもとには、毎日何通もの内部告発や情報が届く。しかし、そのほとんどがガセネタだった。ある日、暴力組織・緑星会の組長らが写った集合写真とメモが届く。そこには暁テレビ常務の伊佐山薫と執行役員の風間武比古の姿もあった。美波は部長の富樫賢治に伝え、専務の泊佐斗司に報告する。
五国繊維が兵庫化学から買収した姫路工場の敷地で、殺虫剤に含まれるメチルパラチオンが検出された。本社広報部の会沢琢也が現地の総務部長・江中文彦から聞き取りを行っている最中、暁新聞姫路支局の和田元太が取材に訪れる。
繊維業界大手の五国繊維株式会社は、生産量の増加と輸送コスト低減を狙い、化学薬品企業・兵庫化学の姫路工場を買収。警備員の山嵜光太郎が深夜の見回りをしたある日、使われていないタンク付近で異臭に気付く。見ると、地面に謎の液体がにじんでいた。報告を受け、本社から広報の会沢琢也らが現地へ向かった。
【あらすじ】広大な敷地に咲き誇る花々を楽しむ屋外イベント「エレガンスガーデンフェスタ」。今年も多くの人で賑わっていたが、閉幕まで20日足らずのタイミングで、巨大台風が接近。広報を担当する駿河広告の松田洋一は、会場のI市を直撃する可能性を想定した対応に追われていた。そして安全確保のため臨時休園を決める。