粉飾決算発覚とマスコミ対応 報告の遅れが致命傷に
東京建設で粉飾決算が発覚した。広報部に動揺が走る中、検察が強制捜査に乗り込んできた。広報課長の丹波和広が玄関前に向かうと、すでに多くのマスコミの姿が。恐怖に足を震わせながら、必死に対応する丹波たち。しかし、その裏で対応を協議する役員たちは、互いに責任を押し付けあうばかり。苛立ちを隠しつつも対応に当たる丹波に、ある記者が声をかけた─。
「まさかのクライシス発生!あなたならどう対応する?」 小説で学ぶ、危機広報。
東京建設で粉飾決算が発覚した。広報部に動揺が走る中、検察が強制捜査に乗り込んできた。広報課長の丹波和広が玄関前に向かうと、すでに多くのマスコミの姿が。恐怖に足を震わせながら、必死に対応する丹波たち。しかし、その裏で対応を協議する役員たちは、互いに責任を押し付けあうばかり。苛立ちを隠しつつも対応に当たる丹波に、ある記者が声をかけた─。
【あらすじ】社長室に呼ばれた広報部長の龍田信人が1時間も戻らない。東京建設の広報課長、丹波和広はこみ上げる悪い予感をかき消せずにいた。そんな時、広報室に1本の電話が入る。「御社の決算で、不適切な処理が行われていたという情報があります」。週刊誌の記者からの問い合わせだった。混乱する丹波に、社長室から戻ってきた龍田が衝撃の事実を告げた─。
【あらすじ】5月1日、「日の丸製薬駿河工場」で火災が発生。広報課長の荒田啓司と部下たちは、必死で現場のメディア対応に当たっていた。情報を求めて記者が殺気立つ一方、作田宣彦工場長は「マスコミ対応する暇はない」と、会見に出るよう求める荒田を冷たくあしらう。「社長や工場長は出てこないのか!」。そう執拗に詰め寄る記者に対し、荒田は─。
【あらすじ】5月1日、大型連休の谷間の「日の丸製薬」広報部には、朝から怒号が響き渡っていた。同社の静岡県富士市にある駿河工場で、火災が発生したと現場から一報が入ったのだ。課長の荒田啓司は、すぐさま部下とともに現場に駆けつける。現場にはすでに多くのマスコミが詰めかけていた。黒煙の立ち込める工場で、荒田は1分1秒を争う広報対応に直面する─。
【あらすじ】2015年2月27日、紫化学工業の讃岐孝が会社の顧客データを不正に持ち出し転売したとして逮捕され、広報歴2年の古川良太ら広報部員は電話取材や謝罪会見の準備に追われていた。そんな中、警察から讃岐の上司である神山聡史が任意で事情聴取を受けていると連絡が入る。対策本部が騒然とする一方、無常にも会見の時刻は近づき─。
【あらすじ】2015年2月27日「紫化学工業株式会社」で勤務していた讃岐孝が、会社の顧客データを不正に持ち出し転売したとして、不正競争防止法違反の容疑で逮捕された。広報部は午後3時からの記者会見で事実を公表すると発表したものの、記者からの問い合わせ電話は鳴り止まない。広報歴2年の古川良太にも、社会部記者の容赦ない洗礼が降りかかる─。