新手法「イマーシブ・プロモーション」を考える 能動的な参加が“没入”の源泉に
昨今、体験提供を伴うコンテンツにおいて「イマーシブ(没入)」という言葉が使われることが増えました。この潮流はエンターテインメント施設におけるアトラクションでの体験提供だけではなく、企業による店舗やポップアップストア、イベントといった「空間」を活用したプロモーション施策にも及ぶようになっています。
昨今、体験を伴うコンテンツにおいて「没入」という言葉が用いられることが増え、1つのトレンドと化しています。そのトレンドはエンターテインメント施設だけではなく、店舗やポップアップストア、イベントといった「空間」を活用するプロモーショナルな施策にも及ぶようになりました。なぜ今、企業は「没入」をキーワードにするのでしょうか。また、これまでの体験とは何が、どう違うのでしょうか。今回の特集では「没入」の観点から、これからのポップアップストアやイベントにおける成功の鍵をひも解きます。
昨今、体験提供を伴うコンテンツにおいて「イマーシブ(没入)」という言葉が使われることが増えました。この潮流はエンターテインメント施設におけるアトラクションでの体験提供だけではなく、企業による店舗やポップアップストア、イベントといった「空間」を活用したプロモーション施策にも及ぶようになっています。
ニューヨーク発のフレグランスブランド「LEルLABラボO」の移動式ポップアップトラックが日本に上陸した。これまでアメリカや韓国、中国などで展開されていたポップアップは、店舗がそのままトラック1台に詰め込まれたようなユニークな実施形態だ。
韓国で生まれ、日本上陸後も人気を集めるジェルネイルシールブランド「ohora」。2024年にリブランディングし、新コンセプト「ありのままの日常をちょっぴり幸せにする」を伝えるポップアップストアを渋谷スクランブルスクエアで開催した。
アサヒビールは2024年4月25日から9月30日まで、没入型の店舗「SUPER DRY Immersive experience」を銀座にオープンした。期間限定での開催だったが、オープン初日は4時間以上の待機列が発生する大反響。さらに、期間内では計4万人以上が来場する人気ぶりとなった。実施背景について、同社ビールマーケティング部の堀謙太氏に話を聞いた。
10月5日から14日までの期間、原宿で「辛いって、たのしい!『辛ワールド』」を開催した農心ジャパン。韓国で人気の「辛ラーメン」の国内認知をさらに広めようと、日本初となるポップアップを実施した。会期中は待ち時間が最長5時間以上、10日間で1万人以上が来場するなど大盛況をおさめた。その裏側を、同社の鄭永日氏と三浦善隆氏に話を聞いた。
サントリー食品インターナショナルは2024年8月24日から31日の期間、小学生の夏休みを体験できる「あの夏休み自販機」を開催した。イベントは、渋谷区のとある場所に設置された自動販売機から始まり、2004年の小学生の部屋で不思議な体験ができるという内容だ。同社の製品を前面に押し出さず、体験そのものに没入できるような仕掛けが施されたこの企画はどのようにして生まれたのか。
サンリオは2024年9月6日から16日の期間、「ハローキティ」の没入体験イベントを開催した。会場には、壁一面に広がる映像や複数のフォトスポットが設けられ、来場者にハローキティの世界観を届けた。期間中は約5万人が来場し、大盛況で終了した同イベント。今回、同社が没入に着目した背景を、サンリオのブランド管理本部ブランドコミュニケーション部の岩野瑞紀氏に話を聞いた。
イマーシブメディアの台頭により、消費者のデジタル体験は大きな転換期を迎えている。VRやARなどを活用したイマーシブ技術は、単なる視覚的な楽しさにとどまらず、深い没入感を与えることから、新たな消費パターンを生み出しているとの調査結果も出てきた。では、実際に生活者はイマーシブメディアをどのように捉え、どのような影響を受けているのだろうか。電通が実施した調査からは、消費者の意識や行動変化が見えてきている。
近年、マーケティングや販売促進の分野で注目を集めている「没入体験」。参加者の五感を刺激し、ブランドへの親近感やロイヤルティを高める効果があるとされている。では、没入感のあるプロモーションは、実際の消費行動にどのような影響を与えているのか。本記事では、没入体験が消費意識に与える影響について、ニッセイ基礎研究所の廣瀬涼氏とともに探る。
昨今、多くの企業が「没入」をキーワードにポップアップやイベントを実施している。なぜ今、企業は「没入」をプロモーションの軸に据えるようになったのか。「没入体験」はこれまで企業が提供していた体験や従来のプロモーションとどう異なるのか。ホテルを舞台にした没入型エンターテインメント『泊まれる演劇』などを手掛ける水星の花岡直弥氏が、「没入体験」が流行する理由と、その背景にある企業の戦略を読み解く。