「なんでだろう」から始まるグラフィックデザイン
私の母はイギリス人、父はスリランカ人で、名古屋にあった当時の実家は、さまざまな文化が入り交じった資料館のような空間でした。母は英字新聞社の美術記者として働いていて、私の部屋は母の書斎も兼ねていました。
私の母はイギリス人、父はスリランカ人で、名古屋にあった当時の実家は、さまざまな文化が入り交じった資料館のような空間でした。母は英字新聞社の美術記者として働いていて、私の部屋は母の書斎も兼ねていました。
デザイナーとして働き始めた当初の2005年頃、コンビニでとある商品を探していたとき、目に飛び込んできたのがチョコレート菓子の「ブラックサンダー」でした。手の平に乗るくらいの小さなパッケージで、黒を基調にしたカラーリング。柄のモチーフは、その名のとおり「稲妻(サンダー)」。
美大生の頃から憧れ、影響を受けていたデザインがあります。それは、坂茂さんがデザインされた四角いトイレットペーパーです。
「カドケシ」を知ったのは、高校生のとき。「カド」が28個ついた消しゴムは見たことがなく、形も独特です。文房具店で「面白い消しゴムがある!」と気付き、自分で買った覚えがあります。
2021年に東京・南青山にあるgalerie a(ギャルリ アー)というギャラリーでアーティストの本池大介さんの展覧会が開催されました。galerie aは、オーナーの秋吉伸彦さんが作家に創作の種のようなものを与え、それをもとに生まれた作品が展示される場です。
僕は20代の頃、アーティストの椿昇さんのアシスタントをしていて、2003年頃、椿さんの作品制作のために、バングラデシュに取材へ行くことになりました。
テクノミュージシャンのAphex Twin(エイフェックス・ツイン)のアルバム「Selected Ambient Works 85-29」を買ったのは、16歳の頃。今のようにインターネットは普及していなかったので、何か趣味を深掘りするには、必ずお金が必要でした。
高校3年生のある日、中学時代の同級生と久しぶりに会う約束をして、地元の福岡にある福岡市美術館に行くことになりました。当時、僕は進路に悩んでいて、目標もなく、やりたいことも見つからず、そのことを友だちに話しながら美術館に向かっていました。
日本の伝統的なパッケージを集めた写真集『HIDEYUKI OKA HOW TO WRAP 5 MORE EGGS』(John Weatherhill) と出会ったのは私が30歳の頃。当時働いていたデザイン会社、ドラフトのライブラリーで、パッケージ関連の資料を探していたとき目に留まり、手に取ったのが最初だったと思います。
僕が大学3年生だった1995年、東京・銀座にあった「クリエイションギャラリーG8」でグラフィックデザイナーの原研哉さんと佐藤卓さんがデザインしたパッケージを写真家の藤井保さんが撮影し、その作品を展示した企画展「SKELETON」が開催されました。