包む目的が機能美を生む考え方のヒント
日本の伝統的なパッケージを集めた写真集『HIDEYUKI OKA HOW TO WRAP 5 MORE EGGS』(John Weatherhill) と出会ったのは私が30歳の頃。当時働いていたデザイン会社、ドラフトのライブラリーで、パッケージ関連の資料を探していたとき目に留まり、手に取ったのが最初だったと思います。
日本の伝統的なパッケージを集めた写真集『HIDEYUKI OKA HOW TO WRAP 5 MORE EGGS』(John Weatherhill) と出会ったのは私が30歳の頃。当時働いていたデザイン会社、ドラフトのライブラリーで、パッケージ関連の資料を探していたとき目に留まり、手に取ったのが最初だったと思います。
僕が大学3年生だった1995年、東京・銀座にあった「クリエイションギャラリーG8」でグラフィックデザイナーの原研哉さんと佐藤卓さんがデザインしたパッケージを写真家の藤井保さんが撮影し、その作品を展示した企画展「SKELETON」が開催されました。
渋谷パルコの地下にあった洋書を扱う書店「ロゴス」が好きで、学生の頃から通っていました。デザイナーとして働くようになって数年経った2002年、ロゴスの店頭に並んでいたのが、『VISIONAIRE (ビジョネア)38 LOVE TIFFANY& CO.』(VISIONAIRE PUBLISHING)です。
『アイデアのつくり方』(CCCメディアハウス)を初めて手にしたのは、美大受験の予備校に通っていたとき。同じ予備校で尊敬していた友人に。この本いいよ」と薦められたのがきっかけです。その友だちはアートやデザインに詳しいだけではなく、流行の半歩先を颯爽と走っているような人。感度が高く知的で、今から30年以上前に「デザインは表層的なものではなく、経済も動かす」といった話をしていたほどです。そんな友人がすすめるなら間違いないだろうと、買ってみました。
これまでデザインに関して、たくさんの人やものから影響を受けてきました。その中でもデザインに対する態度で最も影響を受け、今もたびたび思い出すものがあります。それは、前衛芸術家の赤瀬川原平が1970年代に週刊誌『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で連載していた『櫻画報』です。
最近、子供の頃に好きだった絵本を買い直しています。姉妹や友人に子どもが生まれ、絵本をプレゼントするとき、自分が子どもの頃に気に入っていたものをあげたくて、あらためて自分に買ったのがきっかけです。それらを読み返してみると、私が好む絵本には傾向があり、その気持ちは大人になっても変わっていないことに気付きました。これまでさまざまな人や物事から影響を受けてきましたが、原体験は絵本なのだと思います。
今から28年ほど前。デザイナーとして働き始めた当初のこと。タイポグラフィをベースにデザインする機会が多く、あらためて書体の勉強をしました。当時はまだ写植で版下をつくるのが一般的でしたが、Macが普及し始めた時期でもあり、自分の手書き文字をスキャンして図形化したものを調整したり、既存の書体をアレンジしたりと、“文字いじり”をしていました。しかしその後、有名な書体が誕生した時代背景や形の特徴、その理由など、書体に関する知識を学べば学ぶほど、文字いじりができなくなってしまいました。
今から20年以上前、「横浜トリエンナーレ2001」に行ったとき、ある作品の前に人だかりができていました。作品を見ている人たちは何だか楽しそうで、時折笑いも起きている。
私は中学生の頃から、写真を撮ることが好きでした。写真を撮り始めたのは、中学1年のとき、親からオリンパスの「OM-1」というフィルムの一眼レフカメラを譲り受けたことがきっかけです。その後どんどん、写真だけでなくサブカルチャー全般にのめり込み、デザイナーになれば音楽や映画、写真、雑誌、本など、自分の好きなこと全部に関われる可能性があると気付きました。
表現の手法や手段にとらわれず、 何をやってもいい。たとえ広告の仕事であっても、その目的によってはプロダクトやサービスをデザインしてもいい。そんな柔軟な感覚を持てるようになったのは、グラフィックデザイナーであるティボール・カルマンの作品集『Perverse Optimist』 を見たことがきっかけです。