目指すは「国民的なマンガ」、最終回を迎えた『東リベ』の広告展開
2023年1月17日、『週刊少年マガジン』(講談社)で2017年から続いてきた人気マンガ『東京卍リベンジャーズ』の最終巻(31巻)が発売された。
2021年、世界における日本のアニメ市場は2兆7422億円と過去最高に達しました(日本動画協会調べ)。出版業界でも電子を含むコミック市場は、紙のマンガのみだった90年代半ばを上回り過去最高となる6759億円と賑わいを見せています(出版科学研究所調べ)。主要駅のOOHを見ても、マンガ・アニメ、あるいはアイドル・音楽といったエンターテインメントに紐づく広告で埋め尽くされている現状も。広告市場においてこれらコンテンツ関連の出稿が増えるとともに、その作品の魅力を引き出す表現や、話題化のためのSNS活用などのアイデアが求められる状況となっています。今回は近年の成功例などとともに、強いコンテンツそのものの勢いをさらに加速させる表現を探っていきます。
2023年1月17日、『週刊少年マガジン』(講談社)で2017年から続いてきた人気マンガ『東京卍リベンジャーズ』の最終巻(31巻)が発売された。
2022年10月8日の19時から20時(現地時間)の1時間、ニューヨーク「タイムズスクエア」の屋外ビジョンを『ONE PIECE』が広告ジャックした。映画『ONE PIECE FILM RED』の北米での公開を記念した企画だ。国内では言わずと知れた人気作品だが、北米ではまだまだ認知拡大の余地がある。話題化のための仕掛けを聞いた。
集英社はマンガ『僕とロボコ』(宮崎周平)のテレビアニメ開始を記念し、12月2日から、「僕とロボコ ミニ枠ジャック」を実施した。渋谷の消火栓標識や新聞のラテ欄の小枠など小さな広告枠にロボコが登場。アニメ化にもかかわらずミニ枠という、ロボコのキャラクター性を活かした意外性のある企画が反響を呼んだ。
2022年6月、強炭酸水「THE STRONG 天然水スパークリング」と、対戦格闘ゲーム『ストリートファイター2』がコラボレーションしたARゲーム「ストロングファイター」が公開された。ゲームを通して、どのようなブランド体験を設計したのか。
バスクリンは2021年と22年にそれぞれテレビアニメ『呪術廻戦』(MBS・TBS系列)とのコラボレーションによる「きき湯ファインヒート」のプロモーションを実施した。第一弾、第二弾と回を重ねる中で作品のファンの声に応えながら、ブランドの売上にも寄与する企画をいかに進めていったのか。
「HENNGE One(ヘンゲワン)」をはじめとする企業向けのSaaSを開発・販売するHENNGEは2022年4月から企業広告に「ウルトラマン」を起用。顧客が抱える課題を怪獣とうまく重ね合わせたコミュニケーションを展開している。
マンガやアニメを起用したプロモーションを街でよく見かけるようになった昨今。その背景にはどんな理由があるのでしょうか。またコラボ企画を仕掛ける際に企画側が留意すべきことは。福井工業大学 環境情報学部経営情報学科でマーケティングやメディア論を研究する野澤智行教授が解説します。