「クリエイティビティ」がこれまで以上に企業に必要になる時代へ
ニューヨークを拠点に活動するI&COのレイ・イナモトさんが、今年7月に東京にオフィスを開設した。日本のものづくりに大きな期待を寄せると同時に、2020年以降の日本のビジネスにもっと自分たちならではのクリエイティビティを発揮していきたいという。
従来は「広告およびコミュニケーションのクリエイティブ全体を統括し、実現する人」として位置づけられてきたクリエイティブディレクター。近年はコミュニケーション領域の広がりと共に、その活動領域や手がけるクリエイティブの範疇が変わってきています。新規事業や商品の開発はもちろん、経営、インナー活性化、人事や総務にまつわることなど、これまで企業や社会の表には見えなかった部分で、いまクリエイティビティが必要とされています。今号には、こうした領域を切り拓いている8組のクリエイティブディレクターが登場。いまの時代に求められる「クリエイティブディレクション」とは、どういうものであるのか。その定義を聞きました。
ニューヨークを拠点に活動するI&COのレイ・イナモトさんが、今年7月に東京にオフィスを開設した。日本のものづくりに大きな期待を寄せると同時に、2020年以降の日本のビジネスにもっと自分たちならではのクリエイティビティを発揮していきたいという。
「愛せる未来を、企業とつくる。」を掲げ、2017年にビジネスデザインの専門組織「電通ビジネスデザインスクエア」を立ち上げた国見昭仁さん。広告という領域を超えて、「企業の経営、事業、人事、総務などにこそクリエイティビティが必要だ」と語る。
GOのクリエイティブディレクター砥川直大さんは、現業と並行して2019年よりクラウドファンディング「Readyfor」のソーシャルプロデューサーも務めている。「社会への問いを一緒に考え、作り出す」ことが、いま求められていると話す。
2017年、「可能性創造」を掲げ、ブランドエンジニアリングスタジオ「EVERY DAY IS THE DAY」(以下、THE DAY)を立ち上げた佐藤夏生さん。これまでより戦略立案ではなく、ブランドの感覚を形にしていくことに重点を置くようになったと話す。
PARTY 中村洋基さんは、電通デジタル顧問に続き、今年7月にヤフーのECD(エグゼクティブクリエイティブディレクター)に就任した。CM、デジタルを中心に広告に限らないさまざまな仕事を手がける中村さんが目指すのは、自分たちが考えた企画を「社会実装」することである。
2013年に6名のクリエイティブディレクターを中心に立ち上がったSIX。それぞれの個性を発揮したクリエイティブディレクションで広告にとどまらない領域へと仕事を広げる一方、自社プロダクト「リリックスピーカー」も海外ブランドと提携するなど好調な動きを見せている。
クリエイティブディレクターの梅田哲矢さんを中心に、8月7日に新会社「NEWS」の設立が発表された。スタートアップ企業に対してクリエイティブの知見を「投資」し、ビジネスにおける成長をサポートするという同社の設立経緯やビジネスモデル、11名のメンバーが担う役割などについて聞いた。