『そもそも』の意義から考えて作るコンセプトメーカーとしての役割
若くして、国内外の広告・デザイン賞の審査員を数多く務めている電通 上西祐理さん。今年で入社10年目を迎えた上西さんが、アートディレクターとして転機を迎えたのは、ヤングカンヌのコンペに参加したこと。その時の気づきが、デザインに対する考え方を変えたという。
2000年代前半、広告界では佐藤可士和さんを筆頭にアートディレクターの仕事が広く世の中から注目されるようになりました。新聞広告やポスターを作ることのみならず、OOHでのダイナミックな展開やグッズ・商品開発、さらにはブランドや企業のCIなどまでを手がけ、アートディレクションの可能性とアートディレクターの関わる領域が大きく広がっていきました。
さて、そこから20年近くを経た現在、広告のメディアは大きく変わっています。ポスターからサイネージへ、そしてWeb、さらにはスマートフォンで見るSNSでの広告や動画、プロダクトなど、アートディレクションの表現領域がさらなる広がりを見せています。向き合わなくてはいけない領域やメディアが増える中で、今アートディレクターたちはどんな考えで、自身のアートディレクションを確立しようとしているのか。本特集では、30~40代のアートディレクター9人に、今、そしてこれからの「アートディレクション」について聞きました。
若くして、国内外の広告・デザイン賞の審査員を数多く務めている電通 上西祐理さん。今年で入社10年目を迎えた上西さんが、アートディレクターとして転機を迎えたのは、ヤングカンヌのコンペに参加したこと。その時の気づきが、デザインに対する考え方を変えたという。
アートディレクター、そしてCMプランナーとしても活躍し、広告の王道を行く榎本卓朗さん。「デザインぽいこと」には興味がないという榎本さんは何よりも「アイデア」を重視している。
4月11日、2020年就航予定のLCC ZIPAIRの発表会で、SIX 矢後直規さんは同社社長やファッションデザイナーと共にステージに立った。広告会社のアートディレクターがそういう場に立つことは極めて稀なことだが、そこには矢後さんの考えるアートディレクターとしてのあるべき姿がある。
2018年7月に立ち上がったCHERRYは従来型ではない新しいクリエイティブを掲げるブティック。この新しい環境でチャレンジしているアートディレクターが、増田総成さんと大橋謙譲さんだ。
さまざまな領域のデザインを手がける徳野佑樹さん。その仕事で自身のアートディレクションはどのように変わったのだろうか。
日本デザインセンターで活躍をしていた大黒大悟さんは、昨年7月に渡米。アートディレクターとして新たなスタートを切りました。40代目前に、大黒さんがなぜ新しい道を切り拓こうと考えたのか。御自身に書いていただきました。
広告にとどまらず、幅広い領域でデザインに携わってきた小杉幸一さん。そのアートディレクションのベースには、「世の中の翻訳家」としてクリエイティブを世に送り出すことがある。
「コンピューテーショナルデザイン」を確立し、定着させたい。それを実現すべく、木村浩康さんは日々の仕事の中でさまざまな試みを続けている。
ある仕事をきっかけに、電通 榊良祐さんは自らが持つアートディレクターとしての力を新たなことに活かし始めている。現在、デザインストラテジストと名乗り、食のデジタル化に挑む榊さんが考えるアートディレクターの未来とは?