老舗のポテンシャルを最大限に引き出すデザインリニューアル
「上から読んでも山本山。下から読んでも山本山。」のフレーズで知られる山本山。現在日本橋本店のリニューアルとリブランディングを進めている。
創業100年、200年と続く老舗企業が多数存在する日本は、世界一の「老舗大国」と言われる。その中で、近年、日本酒や日本茶メーカー、和菓子屋、乾物店など、「食」の老舗企業の新たな動きが目立つ。社長の代替わりなどを機に、新世代の経営者とクリエイターがタッグを組み、企業のリブランディングや新ブランドの開発に取り組むようになっている。本特集では、老舗企業がクリエイターと進めるこうしたブランド開発プロジェクトを紹介。老舗ブランドの課題をどう捉え、今の時代にふさわしいクリエイティブを導いていったのか、事例を通じてひもとく。
「上から読んでも山本山。下から読んでも山本山。」のフレーズで知られる山本山。現在日本橋本店のリニューアルとリブランディングを進めている。
中川政七商店×博報堂の有志チームが、約400年の歴史を持つ山梨県の老舗和菓子店の経営コンサルティングおよびリブランディングに取り組んだ。そのプロセスと成果を聞く。
創業約280年の老舗乾物屋「八木長本店」が昨年日本橋にある本店をリニューアルし、今年は「DASHI SHOP」1号店を渋谷にオープン予定など、新たな施策を次々と打ち出している。いずれも高品質な「だし」を日常生活に浸透させ、日本の食文化を守り継いでいくための試みという。
90年以上続く菓子問屋「鈴木本店」が設立した菓子メーカー「京乃晴れ姿」から、異色のお菓子が次々と誕生している。菓子問屋とGRAPHの協業によってブランド開発がなされたという。
銀座のおむすび専門店に、新潟の酒蔵や味噌蔵。この人の手にかかると、品質が上がり、デザインがよくなり、経営も立ち直る。老舗の事業再生を次々と成功させてきた和橋商店ホールディングス代表の葉葺正幸さんに、その方法と、クリエイターとの理想の協業について聞いた。
2016年に同社130年ぶりとなる新ブランド「百黙」を発表した菊正宗酒造。同年にはこれまでにない斬新なデザインのパック酒「菊正宗 しぼりたて ギンパック」も発売した。いずれも、2017年に就任した新社長の指揮の元で開発されたものだという。
練り製品メーカーのカネテツデリカフーズは、女性向け練り物専門ショップ「ネルサイユ宮殿」を2015年末にJR新大阪駅構内にオープンした(現在は本社敷地内に移転)。練り製品メーカーの新境地を拓く宮殿風店舗は、どのように生まれたのか。