凝り固まった価値観に問題提起するビジョニングカンパニー
「20世紀をぶち壊し、世の中をアップデートする。」をビジョンに掲げ、デジタル施策から協会団体の立ち上げ、選挙関連のキャンペーン、自社プロダクトの開発まで幅広く手がけるNEWPEACE。「クリエイティブワークと事業の境目はどんどんなくなっていく」と代表の高木新平さんは話す。その意味するところとは。
「人生100年時代」と言われる中で、いくつになっても学び直し、新しいことにチャレンジしようという機運が高まっている。広告界に目を向ければ、身を置く場所を変えながら新しいスキルを獲得したり、異分野の経験を新たな分野に持ち込んで挑戦を続けるクリエイターの活躍が目立つ。同時に、クリエイティブ組織のあり方も変わってきた。エージェンシーやプロダクションといった従来の役割や形式にとらわれず、多様性あるメンバーが集まり、新しい役割で柔軟にクライアントをサポートしようとする会社や組織が増えている。本特集では、職種、業種の壁から国や人種まで、さまざまな境目を軽やかに超えながら活躍の場を広げる個人や組織にスポットを当て、多様な形の“越境”スタイルを紹介していく。
「20世紀をぶち壊し、世の中をアップデートする。」をビジョンに掲げ、デジタル施策から協会団体の立ち上げ、選挙関連のキャンペーン、自社プロダクトの開発まで幅広く手がけるNEWPEACE。「クリエイティブワークと事業の境目はどんどんなくなっていく」と代表の高木新平さんは話す。その意味するところとは。
ジェイ・ウォルター・トンプソンのECDを務めていた曽原剛さんと、アメリカでTwitterやGoogleなどのキャンペーンを手がけてきたCDのジョン・ランカリックさんが今年2月、新会社「Death of Bad」を立ち上げた。日米のCD2名による、これまでになかった形のクリエイティブスタジオだ。
東京 馬喰町に拠点を持ち、クライアントワークから自社事業、R&Dまで形にとらわれず活動する「Konel(コネル)」。従来のエージェンシーやプロダクションの枠組みを越え、所属するスタッフもフリーランスと会社員を自由に行き来しながら働いている。
建築家、デザイナー、音楽家、エンジニアなど、多様なバックグラウンドを持つ7人のクリエイターで構成される「nor(ノア)」。ここから生み出される作品もその活動スタイルも、いずれもこれまでの既存の定義に当てはまらない。「nor=いずれでもない」という言葉を体現するクリエイティブ集団だ。
ワイデン+ケネディでは、公募で選ばれた若者を、クリエイティブを武器に生きていけるよう7カ月で特訓するプログラム「ケネディーズ」を実施している。昨年初めて東京オフィスで実施され、個性豊かな5名が"発掘"された。
昨年12月に米国SPACE Xの本社前に挑戦的な広告を出して話題を呼んだ、ロボットベンチャーのGROOVE X。そのプランニングを担当したのは、昨年電通ヤング・アンド・ルビカムから移籍した、コミュニケーションディレクターの布施優樹さんだった。
電通のコミュニケーションプランナー加我俊介さんは、広告界で活躍する越境クリエイターの1人だ。バズ企画に店舗開発や展覧会プロデュース、正統派の広告まで、その仕事の幅は驚くほど広い。その秘密は、これまでに歩んできたキャリアに隠されていた。
大学で建築を学び、広告会社に入り、空間の体験デザインを手がけていたアーキセプトシティの室井淳司さんは今、オンラインとオフラインを統合するサービスデザインの領域へと軸足を移している。2度の“越境”を経て、自身の働き方も変わってきたという。
宅配クリーニングサービス「リネット」を運営するホワイトプラスで、ブランドディレクターとして活躍する中島規之さん。これまで5社でキャリアを積みながら、「生活者の日々の暮らしが変わるようなプロダクトづくり」という目標に向かって進んできた。
博報堂でのCMプランナー勤務を経て、現在オランダでクリエイティブ業務に携わる吉田和充さん。「課題を見つけ、協業作業で解決することが得意なクリエイターは、越境に向いている。特にオランダは越境しやすい環境が整っている」と話す。