広告ビジネスのスキルを拡張する 新しい働き方への挑戦
「事業クリエイティブ」「サクセスシェアリング」などのビジネスモデルを掲げて今年1月に設立された新会社「The Breakthrough Company GO」。広告会社出身の2人が中心となり、新しい働き方を実現するための場として走り出した。
2017年のビジネスパーソンにとっての最重要テーマは「働き方改革」だと言われる。その中で、広告界でもこの問題に対する関心がかつてなく高まっている。「女性活躍」や「テレワーク推進」の掛け声に呼応するように、ワークスタイル改革に乗り出す会社が増えている。同時に、既存のエージェンシービジネスを脱して新しいビジネスモデルを実践し、広告産業自体のあり方を変えていこうという気運も高まっている。
2016年から2017年にかけて独立したクリエイターを見ても、新しい働き方、新しいビジネスモデルの実現に挑戦するための独立が多かったようだ。この特集では、いち早く"新しい働き方"に踏み出した実践者たちの声から、これからの広告界の働き方のヒントを探る。
「事業クリエイティブ」「サクセスシェアリング」などのビジネスモデルを掲げて今年1月に設立された新会社「The Breakthrough Company GO」。広告会社出身の2人が中心となり、新しい働き方を実現するための場として走り出した。
面白法人カヤックで働いていた3人のメンバーで構成されたブルーパドル。「小さいけど新しいアイデア」を探し、実現していくことを目指している。
クリエイティブ&コンサルティングの頭文字を取り、新会社「CC INC.」を今年1月に立ち上げた、電通同期入社のアートディレクター戸田宏一郎さんと、dof代表の齋藤太郎さん。広告会社ではできなかったことを、ここで実現していくという。
2013年に博報堂から独立したクリエイティブディレクター福部明浩さんの会社catchは、企業の経営支援を行うリヴァンプと業務提携している。クリエイターがコンサルティング領域までカバーする流れがある中で、あえてコンサルタントとクリエイターの2人でチームを組むことにこだわる理由は。
名古屋から東京へ出て、9年間働いたアートディレクターの飯田淳介さんは、夫婦で名古屋へ拠点を移したいと考えていた。名古屋の会社に転職か、独立してフリーランスか―悩んでいた時に社長が出した予想外の提案で、人生が思わぬ方向へと動き出した。
ROLEの羽田純さんは、大阪から富山県高岡へとIターンし、以来この地で地元に根ざした活動を行っている。デザインの仕事をしているが、自身を「デザイナー」でも「アートディレクター」でもないと話す。
昨年7月、博報堂は60代以上の博報堂のOBコピーライター、クリエイティブディレクター10人によるチーム、新大人研「賢人会議」を設立した。知見と実績を持ったOBたちの新たな活躍の場としていきたいという。
「働き方改革」が叫ばれる中、広告界で行われている取り組みについて、編集部では広告会社・制作会社45社にアンケートを実施。生産性や効率性を高めるための仕組み、様々な背景を持つ人が力を発揮するための制度など、実施中の「働き方」のアイデアについて答えてもらった。
育児をしながら働く広告界のワーキングマザーたちは、働く中で何を感じ、働き方をどう変えているのか。サン・アドのアートディレクター 引地摩里子さんに聞く。
CMプランナーとして約20年間仕事をしてきた塚原文子さんは、3年前の出産をきっかけに、母親向けの商材の仕事が増加。このテーマに面白さを感じ、ファミリー&ライフスタイルママ向け動画メディア「MAMADAYS」のディレクターへと転身した。