誰かの行動を変えていく「選書」こそクリエイティブな仕事
書店の数が全盛期の半分以下に減ってしまったともいわれる中、カフェを併設したり、イベントを行ったり、ここ数年、こだわりあふれる小さな本屋さんが増えています。今回の青山デザイン会議は、そうした書店に欠かせない「選書」が持つ力に注目しました。
広告、デザイン、ファッション、建築、写真、アートなど、さまざまな分野で活躍するクリエイターが参加し、クリエイティブの本質、発想の原点について語り合う。
書店の数が全盛期の半分以下に減ってしまったともいわれる中、カフェを併設したり、イベントを行ったり、ここ数年、こだわりあふれる小さな本屋さんが増えています。今回の青山デザイン会議は、そうした書店に欠かせない「選書」が持つ力に注目しました。
政府の方針のもと、いわゆる「地方創生」がスタートしたのは2014年のこと。それから約10年が経ち、地域に担い手が増えるとともに、その流れはますます加速しています。今回集まってくれたのは、鹿児島県薩摩川内市でサーキュラー都市の実験拠点「薩摩フューチャーコモンズ」を運営するほか、全国各地で自治体や行政と連携したプロジェクトを数多く手がける、リ・パブリックの市川文子さん。茨城県つくばみらい市や北海道白老町のシティプロモーションに関わり、2023年9月に『Roots the hood 地域を動かすアイデアとクリエイティブ』を上梓した、ドローイングアンドマニュアルの中谷公祐さん。栃木県の黒磯でダイニングとゲストハウスを併設したマーケット「Chus」を運営、2022年7月には、那須高原に「バターのいとこ」などの製造工場を中心とした新たなまち「GOOD NEWS」をオープンした宮本吾一さん。クリエイターでありプレイヤーでもある3人が、地域のデザインのこれまでと、持続可能な地域のこれからを語りました。
コンパクトシティや日本版MaaSの実現、人口減少や高齢化、エネルギー問題など社会課題の解決にも繋がる、新しいモビリティの開発が次々と進んでいます。集まってくれたのは、2023年8月、国内では75年ぶりの新規開業となる路面電車「芳賀・宇都宮LRT」をはじめ、パブリックプロダクトや街路、広場など公共分野のデザインに幅広く関わる、GK設計の入江寿彦さん。「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をコンセプトに、椅子タイプやスクータータイプの近距離モビリティを開発する「WHILL」のデザイナー・塚本皓之さん。東京とパリを拠点に、空飛ぶクルマとして話題となった「SkyDrive」をはじめ、物流ドローンや水素燃料電池船など、さまざまなモビリティのデザインを手がける山本卓身さん。EVやパーソナルモビリティ、ドローンにLRT……。未来のまちづくりに欠かせないインフラとしても注目を集める、次世代モビリティを飛躍させるデザインの力とは?
アートや雑貨、スニーカーに時計……。あらゆるモノにはコレクターと呼ばれる人がいて、今やその領域はリアルのみならずバーチャルの世界にまで広がっています。今回集まってくれたのは、累計来場者数37万人以上、2017年にスタートした日本最大級の文具の祭典「文具女子博」の企画・運営を行う、日販セグモの大山真央さん。グラフィックデザイナーとして活躍する傍ら、自身が集めた海外のフォークアートやスーベニアを展示・接客・販売するイベント「個物」を開催、『C級スニーカーコレクション』(グラフィック社)などの著書もある永井ミキジさん。2021年4月、約140万円で落札され話題となった日本初のNFTバーチャルスニーカー「AIR SMOKE 1」を発売、3Dテクノロジーの開発やバーチャルコンテンツのプロデュースを手がける「1SEC」Founder&Presidentの宮地洋州さん。シェアやサブスクなどモノを持たない時代のコレクター事情、そして「集める」行為の先にある新たなクリエイションを探ります。
日本国内で少子化が進む一方、学びの形はますます多様化し、独自の方針やカリキュラムを打ち出す学校やスクールが数多く生まれています。今回集まってくれたのは、「神山まるごと高専」で、カリキュラムディレクターを務める伊藤 直樹さん、「アメージングカレッジ」で校長を務める岩﨑 千佳さん、多くの教育施設の設計を手がける建築家の手塚 貴晴さんと手塚 由比さん。それぞれが描く、日本そして世界を変える未来の教育とは?
ホラー映画にお化け屋敷、心霊スポットにいわくつきの呪物……。今回の青山デザイン会議は、夏にぴったりのこのテーマ。集まってくださったのは、大垣ガクさん、清水崇さん、日比健さん。何かに引き寄せられるように集まった3人が、「怖さ」の本質に迫ります。
イタリア・ミラノで開催される世界最大規模のデザインの祭典「ミラノデザインウィーク」と、その中心的な存在として知られる「ミラノサローネ国際家具見本市」。61回目となる今回のサローネは、4年ぶりに4月に開催され、世界中から30万人以上が訪れるなど大きな盛り上がりを見せました。集まってくれたのは、照明デザイナーとして数々の企業とともにサローネに出展し、今回は川島織物セルコンのEvolutionary Specimen of fabrics(織物進化標本)」でアートディレクターを務めた岡安泉さん。2010年から毎年出展を続け、「Karimoku Case Study」をはじめ各コレクションを統括する、カリモク家具 副社長の加藤洋さん。「TATAMI ReFAB PROJECT」で、若手デザイナーの登竜門「サローネサテリテ・アワード」のグランプリを受賞したデザインラボ「HONOKA」の鈴木僚さん、原田真之介さん、ビューリー 薫 ジェームスさん。エネルギーの再利用やリサイクル、持続可能性にフォーカスした新しいグリーンガイドラインが発表されるなど、進化を続けるミラノサローネの今を語ります。
生物多様性や動物との共生、コロナ禍でさらに加速したペット人気に図鑑ブーム……。今回の青山デザイン会議は、自然離れが叫ばれる中、テクノロジーの力も相まって進化し多様化する、動物や生き物を取り巻く表現に注目しました。集まってくれたのは、化け猫や妖怪など想像上の生き物をテーマに、絵本や挿絵・装画などを手がけ、世田谷文学館で自身初となる大規模個展「ばけものぞろぞろ ばけねこぞろぞろ」を開催中の石黒亜矢子さん。
鉄道模型やドールハウス、ジオラマ……。今回の青山デザイン会議では、“映える”ことからSNSでも人気を集めているミニチュアの世界に注目しました。
サステナブル、アップサイクルといった言葉がさかんに叫ばれ、もてはやされる現在。ものづくりの現場では、デザイン性はもちろん、現代的な課題を解決していく視点が求められています。