2025年1月、銀座・数寄屋橋交差点にGinza Sony Parkがグランドオープンした。初代ソニービルから第一段階のGinza Sony Parkを挟み、今回が最終形態となる。空間づくりのポイントは「余白」だとソニー企業の代表取締役社長兼CBO 永野大輔さん。その意図を詳しく聞いた。


「庭」に込めた意図
「今日お伝えしたいメッセージは、これだけです。『銀座の庭、Ginza Sony Park』」。1月に開催されたGinza Sony Parkの記者向け発表会にて、ソニー企業の代表取締役社長兼チーフブランディングオフィサー(CBO)永野大輔さんはそう強調した。
「銀座の庭」とは、1966年4月にソニー創業者のひとりである盛田昭夫がこの場所にショウルームとしてソニービルを建てた当時から打ち出してきたコンセプトだ。当時としては珍しく交差点に面した1階に10坪ほどのパブリックスペースを設け、春にはガーベラ畑、夏にはアクアリウムなど、道行く人々を楽しませる催しを開いてきた。ソニービルが老朽化により2017年3月に閉館したのち、解体途中の2018年8月から21年9月にかけて建て替えの第一段階として、地上1階、地下4階の「垂直立体公園」をオープン。3年間で854万人が訪れたという。そしてさらなる解体・新築工事を経て、今回の第二段階(最終形)に至る。

Ginza Sony Park Projectは二段階のプロセスを採用。ソニービルの解体途中を第一段階として“公園”にして3年ほど運営。その後再度解体・新築工事を実施し、今回の第二段階(最終形)が完成した。
永野さんは最初の解体が始まるさらに前の2013年から、当時の平井一夫元CEOの下でGinza Sony Parkの建て替えプロジェクトをけん引してきた。1966年当時から打ち出してきたコンセプトを、今改めて、どう解釈したのか。「Ginza Sony Parkとは、その名の通り“銀座にソニーがつくった公園”です。そこには銀座に訪れる人にとって、ここが『庭』のような存在であってほしいという願いを込めています。よく知った場所、よくひいきにしている場所を、『俺の庭』『私の庭』という言い方をすることが…