三菱電機は1月、横浜・みなとみらいに、社内外の共創を促す空間「Serendie Street Yokohama」をオープンした。この場で重視したのは、「出会い」を生むデザイン。クリエイティブディレクションを手がけたKESIKIの石川俊祐さんらに、そのための多様な仕掛けについて話を聞いた。


撮影/Shinya Sato

目的は「カルチャー変革」
「Serendie Street Yokohama」は、横浜・みなとみらい駅にほど近い横浜アイマークプレイスの10階にある。フロアの約半分にあたる約2500平米の空間が共創エリアとして活用され、残り半分は執務エリアとなっている。
Serendie Street Yokohamaの入り口に入ると、まずコーヒースタンドが目に入り、バリスタが気軽に挨拶をしてくれる。さらに歩みを進めると、中央に「YOKOCHO」と題した交流エリアがあり、そこから左右に、議論の場などとして使えるプロジェクトルーム「FIELD」、プロトタイプをつくれる実証実験と展示の空間「GARAGE」、円形のカンファレンススペース「CIRCLE」が広がる(01)。大手メーカーのオフィスらしからぬ、カジュアルなたたずまいだ。




01(上から)エントランスのコーヒースタンド、議論の場などとして使えるプロジェクトルーム「FIELD」、プロトタイプをつくれる実証実験と展示の空間「GARAGE」、円形のカンファレンススペース「CIRCLE」。
撮影/Shinya Sato
そもそも「Serendie」とは、三菱電機グループ内でデータや人材、技術を集約して共有するデジタル基盤のこと。それをベースに社内外のパートナーと共創することで、アジャイル型で、従来の事業領域を横断した新たな価値や事業の創出を目指す。同社が2022年に打ち出した事業方針、「循環型デジタル・エンジニアリング企業への変革」を推進する基盤として位置付けられている。
とはいえ、通常は事業ごとに縦割りになりがちな大企業の組織で、横の繋がりをつくり、データを共有・活用していくことは容易なことではない。そこで「Serendie Street Yokohama」という場をつくることで、社内外の共創を促していく狙いだ。…