鑑賞者の目と耳を開く 新たな鑑賞体験の場
坂本龍一 | 音を視る 時を聴く
その多彩な表現活動を通して、50年以上にわたり時代の先端を切り拓いてきた音楽家・アーティストの坂本龍一。1990年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開し、2000年代以降はさまざまなアーティストとの協働を通して音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考、実践してきた。
本展は、坂本が生前、東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに構成。未発表の新作と、これまでの代表作からなる没入型・体感型サウンド・大型インスタレーション作品10点あまりを同館の屋内外でダイナミックに展開する。
これらの作品を通して、先駆的・実践的な創作活動の軌跡を辿るとともに、類稀なるアーティストの新たな一面に触れることができる。「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という深い問いかけは、鑑賞者に新たな視座をもたらし、創造と体験の地平を開くだろう...