2025年2月16日まで、「21_21 DESIGN SIGHT」で「循環」をテーマとした企画展が開催されている。その名も、「ゴミうんち展」。この「ゴミうんち」という新たな概念は世の中に何を問いかけているのだろうか。展覧会ディレクターのひとりである佐藤卓さんに話を聞いた。


01「ゴミうんち展」は2025年2月まで21_21 DESIGN SIGHTで開催中。
「ゴミ・うんち・CO2」
「いわゆる自然界においては、ゴミもうんちもただそのまま残り続けるものはほとんどありませんでした。しかし、いま人間社会では、その両者の存在は大きな問題となっていますし、文化的にもどこか見たくないものとして扱われています。(略)完全に消えてしまうものなんて、ないのにもかかわらず」。
グラフィックデザイナーの佐藤卓さんと文化人類学を専門とする京都芸術大学の竹村眞一教授が仕掛ける「ゴミうんち展」は、身の回りから宇宙まで、世の中のさまざまな「ゴミうんち」を扱う展覧会だ。本来自然界においてそのまま残り続けるゴミやうんちはほぼ無いにもかかわらず、人間社会ではそれらが、ごみ捨て場や水洗トイレといった「装置」を通じて、まるで忘れるべきもののように扱われているのではないか――そんな問いの元、本展では「ゴミうんち」を含む世界の循環を「pooploop(プープ・ループ)」と名付け、改めて目を向けることを促す。さらにpooploopを人工物のデザインでも活用できないかと模索する実験の場でもあるという。
本展の着想に至った背景を、佐藤さんは次のように説明する。「大量に生産されるパッケージデザインやブランディングは、資源やゴミ問題と直結しています。…